ウエディングフォト撮影&ライティング実践講座
第2回

広範なスキルを要求するウエディングフォトの難しさ

結婚式とは、多くの人にとって、一生の思い出になる人生の一大イベントです。新郎・新婦の晴れ姿はもちろん、式に出席した親類縁者の顔ぶれや表情は、その日、その瞬間にしか存在しえないものです。それだけに、結婚式を記録に残すウエディングカメラマンの責任は重大。絶対に失敗できない過酷な仕事です。

では、ウェディングカメラマンに求められる技術や素養とは、一体どういったものなのでしょうか。「ウエディングフォト撮影&ライティング実践講座」では、現役のウエディングカメラマンが仕事に臨む際の心構えから段取り、必要とされる技術、仕事環境にいたるまで詳細な解説を行っており、ウエディングカメラマンという仕事を理解するのに最適な一冊です。

本記事では、Chapter1「ウエディングフォトグラファーとして写真を撮るために」より、ウエディングフォトに求められるスキルについてご紹介します。

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ウエディングフォトは総合力が試される

ウエディングでは本当にさまざまな被写体にレンズを向けます。ポートレートだけが撮れればいいわけではありません。撮影スタイルもシーンに応じて変えていきます。

ウエディング撮影の全体構造

このようにウエディングの撮影ではさまざまな被写体を相手にします。写真ジャンルも多彩。それだけ表現の幅が広いということです。ウエディングを撮る魅力はこうしたところにもあるのです。

多ジャンルにまたがって撮影する

フォトグラファーは大抵、個々に得意分野を持っているものです。例えば、人物を撮るのが得意なフォトグラファーがいる一方で、物撮りが得意なフォトグラファーもいます。その得意分野を掘り下げて、仕事の依頼を受けています。

ウエディングの撮影は、主役が新郎新婦という意味ではポートレートの分野に入るのかもしれませんが、実際にはその被写体は多岐に亘ります。指輪やネックレスなどのアクセサリーも撮りますし、建物の外観や内観、室内の様子なども押さえます。料理もきちんと撮影します。ですから、ウエディングフォトグラファーはポートレートがうまければいいわけではないのです。幅広くさまざまな被写体を往来できなくてはいけません。

また、被写体に限らず“写真のジャンル”もさまざまです。同じポートレートでも、前撮りはときにファッション的な視点が必要ですし、挙式当日の撮影はドキュメンタリーに近いです。動くシーンはさながらスポーツを撮っているような感覚になることも。ひと口にウエディングと言っても、その撮影範囲は非常に広く、表現は多彩なのです。ウエディング撮影では、写真の総合的なスキルが試されます。

前撮りは撮影が主体。光源やロケーションなど、より理想の環境を自分でつくり出し、撮影に臨むことができます。純粋にいい写真を撮るためだけに集中できます。

撮影スタンスの違いにもうまく順応していく

総合的なスキルが求められるウエディング撮影ですが、もうひとつ意識しておきたいポイントがあります。それは撮影スタイルについてです。具体的には前撮りと挙式当日の撮影では、撮影スタイルを変える必要があります。前撮りは写真撮影が目的です。撮影テクニックを駆使し、魅力的に新郎新婦を撮影します。このとき、フォトグラファーはポージングからその場の光源まで、すべてを自分の感性でコントロールしながら撮影に臨みます。

一方で、挙式当日の撮影はセレモニーの工程の妨げにならないように行うことになります。前撮りよりも臨機応変な対応が必要です。光をとらえるのでも、挙式当日はより直感的な判断を迫られることが多いです。前撮りのようには吟味できません。

つまり、前撮りと挙式当日の撮影では撮影テクニックだけでなく、撮影の流れ自体が異なるのです。新郎新婦とのコミュニケーションの取り方さえも違います。挙式当日の撮影を前撮りと同じような撮影スタンスで臨むことはありませんし、その逆も然りです。ウエディングの撮影はこの変化に順応していく、またはそれぞれの舞台で、最良の立ち振る舞い(パフォーマンス)をすることが大事なのです。

挙式当日はセレモニーが主体。挙式当日はその場の環境にうまく対応する格好で撮影を行います。いいシーンを常に探し、直感的な判断でシャッターチャンスを逃さず撮影します。

ウエディングフォト撮影&ライティング実践講座

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