コマーシャル・フォト2018年4月号の特集「NUDE」では、巻頭約40ページにわたって、フォトグラファー5名による撮り下ろし作品を収録。このほかヌードフォトにまつわる最新事情やヌード写真集の歴史、そして一般的に想起される「ヌードフォト」の枠にとらわれない、ユニークな作品の制作に取り組む作家の活動にも言及しており、日本におけるヌードフォトの現在を垣間見られる内容となっています。
本記事では、特集に参加いただいたフォトグラファーのうち、渡邊 哲さんによる作品の一部を紹介します。
ヌードの匿名性というか、時代背景も何もなく、フラットに見てもらえるところに惹かれます。
自然光の入る白壁のスタジオで撮りました。どう撮るかをかっちり決めるとそれ以上にならないこともあります。イメージしたものよりも一歩先に行かれるように、ドキュメントのようにその時に起こったものを見て瞬間的にアングルを切りました。モデルには特に指示せず、自由に動いてもらっています。より匿名性のある被写体として感じてもらいたかったので顔も写さないようにしました。
ライカM6、コンタックスの一眼など4台のカメラで撮影していますし、フィルムでも遊んでいます。フィルムはわざと一度感光させたものや、使用期限切れのもの、蓋を開けたり、植木鉢に埋めたものを使ってます。写真はネガスキャンしてセレクトしました。次は森の中で、より自由に撮ってみたいですね。
わたなべ・さとし
1991年宮城県生まれ。
2015年ドローイングアンドマニュアル所属。