飛行機模型製作の教科書
第2回

組み上げるときに知っておくと便利な飛行機各部位の名称

ミリタリープラモデル、とりわけ航空機模型の中でも、機体の緻密な再現性や組みやすさで定評のあるタミヤ「1/48傑作機」シリーズは、モデルとなった機体への綿密な取材によって再現されたディテールやギミックが特徴です。

ホビージャパンの「飛行機模型製作の教科書 タミヤ1/48傑作機シリーズの世界 レシプロ機編」では、本シリーズに属する機体の組み方や塗装の手順を詳細に解説。豊富な作例もさることながら、組み立てや塗装に必要な道具や接着剤、塗料などの解説も網羅しており、初めて航空機模型に挑戦する人にも優しい構成となっています。

本記事では「組み立て基本編」より、航空機(模型)各部位の名称をまとめています。

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飛行機模型各部の用語

1. スピナー:プロペラを制御するガバナーを空力的にカバーするためのもの。同時に、直後のエンジンカウリングとの位置関係で、エンジンへの冷却効果を高める働きもあります。

2. プロペラ:回転することにより後方へ風力を起こし、それを推力として飛行するための機材。

3. 主翼:機体に揚力を与える翼。内部は燃料タンク、主脚収納庫、機銃などを装備する場所でもあります。

4. エルロン:「補助翼」とも言います。主翼外側の後縁にあり、飛行中に上下に動かすことで機体を左右に回転(ロール)させます。

5. 機銃口:胴体に装備したプロペラ同調式機銃の発射口。

6. キャノピー&コクピット:「風防」とも呼ばれます。コクピットは操縦席で、飛行機模型の見所の1つです。飛行に必要な計器が配置された「計器盤」、機体の姿勢を制御する「操縦桿」、エンジンの出力を調整する「スロットル」などが配置されています。

7. 垂直尾翼&方向陀: 飛行時の安定を保つため「垂直安定板」とも呼ばれます。通常は胴体後部上面に1枚。垂直尾翼の後縁には飛行中に動かして左右に方向を変える「方向舵」があります。

8. 水平尾翼:飛行時の安定を保つため「水平安定板」とも呼ばれます。通常は胴体後部左右に1枚ずつ、計2枚。一般的に垂直尾翼とは90度の位置にあります。水平尾翼後縁には飛行中に動かして上下に方向を変える「昇降舵」があります。

9. 胴体:主翼と尾翼を繋ぎ、エンジン、燃料タンク、コクピットなどの重要機材を内蔵する部分。強度の確保と軽量化を両立させるため、第二次世界大戦機の多くは、金属製セミモノコック構造を採用しています。

10. 翼端&翼端灯:文字の通り、翼の端です。翼端灯は主翼の端に付けられたライトで、夜間に点灯し、機体の位置と方向(右がグリーンまたはブルー、左がレッド)を示します。

11. ピトー管:速度を計測するための棒状の計器。飛行機模型では破損&紛失しやすいパーツなのでお取り扱い注意。

12. 主脚:地上駐機時に使用される車輪式の機体支持物。飛行時は主翼内に格納され、空気抵抗を減じるために「主脚カバー」が付いています。

13. 排気管:エンジンの排気を排出するパイプ。

14. エンジンカウリング:単に「カウリング」「カウル」とも呼びます。エンジン外側を空力的に包み込むと同時に、内部へと気流を流しエンジンの冷却を助けます。冷却状態の調整には後部にある開閉式のドア(カウルフラップ)で調整します。

15. 増槽:航続距離を増加させるため、胴体下に取り付けられる燃料タンク。空気抵抗が少なくなるよう設計され、使用後は投機できる利便性があります。

16. 尾輪:「尾脚」とも呼びます。固定式のもの、主脚と連動して引き込むものがあります。

17. フラップ:主翼後縁の一部を下げ、離着陸時などの低速時に揚力を発生させます。通常は飛行時のみ開きます。


飛行機模型製作の教科書 タミヤ1/48 傑作機シリーズの世界「レシプロ機編」

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