専用の器具や独特のノウハウが必要なキャンプは、かつて敷居の高い趣味の一つでした。しかし近年、動画配信サイトやSNSの発達によってキャンプの楽しさが広く伝えられ、またキャンプを行う際の知識や道具選びの注意点など、必要な情報が簡単に手に入るようになるに至って、キャンプはしっかりと下調べさえすれば、比較的手軽に始められる趣味として人気を集めています。
齡70にしてキャンプ歴50年のwinpy-jijiiさんが手掛けた「Life is Camp winpy-jijiiのキャンプスタイル」では、車中泊や登山キャンプをはじめとしたキャンプのスタイル紹介から、おすすめの道具、自分の使い方に合わせた道具の自作・改造、おいしいキャンプ飯まで幅広く解説。長いキャリアの中で培われた確かな知識が一冊にまとめられています。
本記事ではCHAPTER3「モノ作り」より、ニベア缶でつくるクッカーのフタについての解説をお伝えします。
なにかモノを作ったり改造するときは、まずは参考になる作業や動画をじっくりと観察することから始めます。それも一回だけじゃなく、分かるまで繰り返し何度も何度も。イメージができたら試作を重ねます。動画だと一発でできていますが、実は何度も失敗をしているんです。
ニベア缶でクッカーのフタ作り
一躍有名になった代表作
前に一度ニベア缶磨きはやっていて、フタにして使っていたら視聴者から質問が多かったので、動画にして紹介したら反響が大きくてびっくりしましたねぇ~。きっかけはなんとなく磨いてみたらキレイだったから。皆さんもいろんなもの磨いてみてください、ハマりますよ。
道具
- 塗料剥がし剤
- ハケ
- スクレイパー(プラ)
- ウエス
- ナイフ
- ラジオペンチ
- 千枚通し
- 金切りバサミ
- エポキシ系接着剤(2液式)
- つまようじ
- ブルーマジック(ポリッシャー)
材料
- ニベアの空き缶
- 額縁のウラの金具
- ボルト
- ナット
- ワッシャー
工程
塗料を剥がす
1. 使い切って洗ったニベア缶に塗料剥がし剤を塗る。写真は少しやりかけた状態。
2. 10分ほど放置すると、塗料が浮き上がってくる。本体側も一緒に剥がしておく。
3. プラ製のスクレイパーなどで、浮いた塗料を削り取っていく。
4. ロゴ部分のスキマなどに塗料が残るので、2、3回塗っては剥がしをくりかえす。
5. 残った剥がし剤と塗料をウエスで拭き取り、水洗いしたら剥がし作業は完了。
取っ手をつける
6. 額縁についている金具をナイフなどでこじ開け、ラジオペンチで平らに加工する。
7. 取り付け位置を決め、千枚通しで穴をあける。蒸気穴もあけておく。
穴をあけるときフタがへこんでしまいそうなら、裏側からあけてあげれば大丈夫。
8. ボルトとナットでワッシャーを挟んで、額縁の金具を固定する。
本体を固定して磨く
9. 本体側は蒸気穴を3つ開け、フタをはめた状態から5㎜出るようにフチをハサミで切る。
10. フタの内側にエポキシ系接着剤(2液式)を塗って、加工した本体側を固定する。
11. 接着剤が乾いたら、表面にポリッシャーをつけ、布で磨いて鏡面仕上げにする。
12. SVEAのクッカーにニベア缶がシンデレラフィット。額縁の金具が取っ手になる。