今にも動き出しそう!本物と見間違うほどリアルなフィギュアたち。竹内しんぜんさんは、著書「粘土で作る! いきもの造形」(ホビージャパン刊)のなかで、自然が作り出した様々な生き物の活き活きとした姿をフィギュアとして再現するための方法を解説しています。本書は今までの技法書と異なり、モチーフとなる動物を観察するため、製作者自身が動物園に足を運び、そこで働く飼育員の皆さんにも取材を行い、図鑑や写真だけでは知ることのできない生の情報を元に製作しています。
本連載では、アフリカゾウを粘土でつくるテクニックとその手順を細かく公開します。
母ゾウの製作2 骨格を作る
リアルな造形には骨格再現が有効です。完成後には見えなくなってしまいますが、重要なポイントです。
まずは頭骨を作ります。頭部の芯を水で軽く湿らせ、少しずつ粘土をつけていきます。頭骨の形になるように、眼窩(目玉が入ままだと進めづらいので、ここでいったん乾燥させます。
さらに粘土を盛り足していき、下アゴも作ります。より頭骨らしい形になってきました。
盛りすぎたと思うところはデザインナイフや彫刻刀を使って削り取ります。いろんな角度から見て、左右でズレがないか確認し、必要なら粘土を再度盛り付けて修正します。
これで頭骨は完成です。
次は胴体です。粘土を盛り付けやすいように胴体の芯に水を塗って粘土を足していきます。
このとき背骨のラインに沿って粘土を盛り、中心を出すように意識します。
芯に差し込んだアルミ線を瞬間接着剤で固定し、胴体に接続します。位置が決まったらこちらも瞬間接着剤で固定します。
胴体と脚部の接続部に粘土を足してしっかり固定します。
次に前肢、後肢となる芯に粘土を盛り付け骨の形を作っていきます。さらに四肢の先端にも粘土を付けます。
平らな板を押し当て、すべての足の接地面を揃えます。
次回は、母ゾウの筋肉の表現を作ってきます。