ホビージャパンエクストラ「模型展示会」特集
第3回

どんな展示会にしたい?模型展示会を主催する際に気をつけたい5つのポイント

「自分なりのこだわりを持ち、納得いくまで作り込む」ことは模型を組み上げる醍醐味のひとつですが、近年においては、SNS上で「作った模型を見せる」ことによって、コミュニケーションツールとしての側面も持つようになりました。模型を作ることの意味が拡張されていく流れの中で、作った模型の実物を鑑賞しながら交流する動きも出てきています。その中の一つが「模型展示会」と呼ばれるイベントです。

ホビージャパンエクストラ2019 Winter」では、模型を楽しむ人々の交流の場として日本各地で開催している「模型展示会」を特集。展示会の取材記事から、全国の展示会開催カレンダーも掲載しており、プロ・アマチュア問わず参加する模型展示会の盛り上がりを伝えています。

過去2回にわたって模型展示会の一つ「テングモデラーズ」の様子を伝えてきましたが、今回は「自分でも模型展示会を開催してみたい」という方のために、展示会を主催する際に留意すべき点について解説します。

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ホビージャパンエクストラ2019 Winter

模型展示会を開催するにはどうすればいいの?

模型仲間は多いけど展示会を開催したことはないし、そもそもどうやって展示会を開けばいいのかイマイチ分からない、という人は結構多いのでは?ここでは「テングモデラーズ」の主催者で、ほかにもさまざまな展示会を手がけてきた清水圭氏に、展示会を開くためのポイントや疑問点を解説していただきました!

解説/清水圭 構成/山部玲美

1.まずは仲間を集める!

展示会を開催するためには、まず仲間を集める必要があります。そもそも、仲間と展示会をやろう! という話になる方がほとんどだと思いますが、個展ではない限り仲間は必須です。人数が集まらない場合には、「DORO☆OFF」や「千葉しぼり」といった一般参加も可能な展示会で知り合った人を誘うのがいいと思います。

2.会場を決める!

仲間が集まると規模が分かるので、次に会場を決めます。これが一番大変な作業です。手っ取り早いのは、模型展示会の実績がある会場に問い合わせすることです。東京なら台東区にある「東商センター」とかですね。

費用を極力抑えたいなら、区民会館や公民館です。自分の住んでいる場所か会社の所在地の自治体が持っている会場を探すと見つかります。自治体の会場は、その土地を利用している方へのサービスなので、地域によって条件は異なりますが、基本的に住んでいるか職場があるかでないと借りることができません。また、自治体の会場は抽選の場合もあります。

3.会場を選ぶときのポイント

まず広さが一番の条件だと思います。参加人数に合わせた広さの会場を選びます。また立地も重要です。例えば東京でいえば山手線圏内だとお客さんが多くきてくれたりしやすいです。そして展示用の什器があるかどうかも重要。展示会の実績がある会場であれば長机が用意されていたりしますが、無い場合もあって、無いとそこから自分たちで用意しないといけないので大変です。

4.宣伝する!

会場が決まったら内容を詰めつつ宣伝をしましょう。TwitterなどのSNSでの拡散で充分だと思います。テングモデラーズでは「静岡ホビーショー」などでフライヤーを配布したりもしましたが、どれぐらい効果があったかはちょっと分かりづらいです。今はモデラーの中でもTwitterが標準化してきているので、モデラーを集めるのであれば、Twitterで充分だと思います。

5.どのような展示会にするのかビジョンを決める!

見せ方にこだわりたいなら作品プレートはパネル状のものにするとか、そういうところはこだわらないならもちろん手書きでもOKです。テーマを決めたり、縛りを作ったり、参加者のコンセプトに合わせて、展示会を作り上げていきましょう。

疑問その1:会場にこだわりたい場合にはどうすればいいの?

テングモデラーズみたいに公民館以外で、となれば、ひたすらそういうことができる場所をネットで探すしかないです。「レンタルスペース」で検索するといろいろ出てくるので、まずはそのあたりを探します。条件にあう会場を探すのは本当に大変。

名古屋や大阪などの地方の展示会を見ると、東京より会場に恵まれているというイメージです。東京は値段は安めだけど古い会場か、新しい会場で値段が高いかのどちらかという感じがします。また、ギャラリーなどはおしゃれで良いのですが、基本的にレンタルが1週間単位だったりして、1日で貸してくれるところはあまり無かったりします。こだわるなら頑張って探すしかありません!

疑問その2:展示会はいくらかかるの?

規模や内容によってさまざまですが、例えば「テングモデラーズ作品展」の場合、会場費やプレート、フライヤー、パネルの制作費などでトータル15万円ぐらいでしょうか。これを参加人数で割って、だいたい1人5000円ぐらいを参加費にしています。ただ「テングモデラーズ作品展」の場合は、会場が大きいですし、一般的には10万円ぐらいで収まるんじゃないでしょうか。テングの場合は5000円にプラスして酒代がかかります(笑)。


ホビージャパンエクストラ2019 Winter

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