ホビージャパンエクストラ ヤマハ「YZF-R1M」特集
第1回

オートバイ模型を組む前に知っておきたい基礎知識いろいろ

オートバイの中でも、走行性能を突き詰めたスポーツタイプは、サーキットでの活躍もさることながら、機能美ともいえる外観の美しさも魅力の一つです。

ホビージャパンエクストラ 2018 Autumn」では、バイク模型を特集。巻頭特集ではタミヤが発売したヤマハ「YZF-R1M」のモデルを扱っており、モデルの組み方から作例、耐久レースを走り抜いたマシンへの取材なども実施しており、模型と実車の両面からR1Mの魅力に迫る内容となっています。

本記事ではYZF-R1Mのモデルを組むにあたり、知っておきたいオートバイ各部位の名称をまとめています。

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作例ページを見る前に知っておきたいバイク各部解説

バイクを知らない人にとってはきっとチンプンカンプンなバイク関連用語を簡単に解説していきましょう。

1.スクリーン: 前から来る走行風を減らすパーツ。車種によって付いていたり付いていなかったりする

2.ヘッドランプ:ヘッドライトともいう前方を照らすライト

3.カウル:空気抵抗を減らすためのカバー。フルカウルとは車体全体がカウルに覆われている状態を指す

4.ウィンカー:方向指示器。前後に備え付けられている。ウィンカーは日本での通称で、ターンランプ、インジケーターなどさまざま

5.フロントフォーク:前輪を支えるポールのような物。伸縮してショックを吸収する。太い方が下になっているものは正立、その逆が倒立

6.フェンダー:泥よけ。前がフロントフェンダー、後ろがリアフェンダー

7.フロントタイヤ:前輪のタイヤのこと

8.ホイール:タイヤがはめ込まれている輪。ワイヤースポークホイールやキャストホイールなど形状はさまざま

9.フューエルタンク:いわゆるガソリンタンク

10.エンジン:バイクの心臓部分。エンジンの上側が燃焼をつかさどるシリンダーヘッド(腰上)。下側はクランクケース(腰下)で爆発力を受け止め動力に変える部分

11.フットレスト:「ステップ」のほうがメジャー。後ろに乗る人のことをタンデマーと呼び、タンデマー側のものはタンデムフットレストと呼ぶ

12.シフトペダル:クラッチレバーを握りながら上下にペダルを操作することでギアを上げたり下げたりできる。高級車だとクラッチを握らずにシフトのアップ&ダウンができるものもある

13.シート:座るところ。基本的にはタンデム(2人乗り)できる形状になっている

14.メーター:速度や走行距離、回転数などバイクの状態が分かる部分。針が振れるアナログとデジタル表示のものがある

15.ハンドル:バイクを操作するための機構が集中する部分。右はアクセルとフロントブレーキレバー、左にはクラッチレバーが備え付けられている

16.ミラー:後方確認用の鏡。少し広角気味に写る

17.ブレーキディスク:タイヤの横についている丸い金属板

18.キャリパー:ブレーキディスクにブレーキパッドを押し付ける装置

19.エキゾーストパイプ:エンジンから伸びるパイプ。よく耳にする“エキパイ”とはこのパーツのこと

20.サイレンサー:エキパイの先にある筒。「マフラー」と呼ぶ人が多いが、マフラーとはエキパイとサイレンサーのセットを指す

21.ブレーキペダル:後輪側のブレーキ用ペダル

22.リアショック:フロントフォークにも備えられている衝撃を吸収するパーツの一部。これとスイングアームを含めてサスペンションと呼ぶ

そのほかに知っておきたいバイク基礎知識

“フォースト”と“ツースト”
フォーストとは“「4ストロークエンジン」のことで、簡単にいうとピストンが4回動いて1回爆発するエンジン。それに対して”ツースト“は「2ストロークエンジン」といって、ピストンを2回動かすだけで1回爆発させることができるエンジンのことをいいます。

フォーストとツーストを外観で見分ける方法としては、エキパイとサイレンサーの形状。エキパイ部分に「チャンバー」と呼ばれる袋状の装置がついていたり、サイレンサーの先端が細い管状になっていたりします(例外有り)。また形状が単純だったりするのも特徴。逆にフォーストのエンジンは複雑な形をしています。

気筒について
気筒とは”シリンダーヘッドの数“のことを指していて、単気筒であればシリンダーヘッドが1つ、4気筒はもちろん4つとなります。気筒→発と呼ぶ人もいて、「4発のバイクが~」って言われたらそれは4気筒エンジンのことを指しています。

エンジン構造について
バイクのエンジン構造は直列型(並列型と呼ぶことも)、V型、水平対向の大きく分けて3つ。シリンダーの位置によって呼び方が変わり、シリンダーが車体の横から見て一つしか見えないものが直列型、2つ見えてVの字に見えるのがV型、真横に張り出しているものが水平対向となります

バイクのクラスの話
スーパースポーツ、ネイキッド、クルーザー、ツアラー、トレール…バイクのクラスは年々細分化され数多く存在します。基本的な5つのクラスを簡単に解説しましょう。

スーパースポーツ

タミヤ 1/12 カワサキ Ninja H2R(製作/一ノ戸晃治、月刊ホビージャパン2017年2月号掲載)

各メーカーのロードレースマシンの技術がフィードバックされた市販車でかつては「レーサーレプリカ」とも呼ばれたクラスです。フルカウル、セパレートハンドル、大排気量というのが主な特徴。メーカーの最高技術を体感することができます。

ネイキッド

ハセガワ 1/12 スズキ GT380 B(製作/石鉢俊、月刊ホビージャパン2018年4月号掲載)

おそらくひと目でバイクだと分かるオーソドックスなスタイルがネイキッド。その名の通りカウルでほとんど覆われておらずメカニカルな部分がむき出しになっているのが特徴。同じようなスタイルでハイパワーなエンジンとアグレッシブなデザインの「ストリートファイター」というジャンルも混在します。

クルーザー

タミヤ 1/6 ハーレーダビッドソン FLSTFB ファットボーイ ロー(製作/一ノ戸晃治、月刊ホビージャパン2014年3月号掲載)

俗に言う“アメリカン”。見た目はネイキッドとそっくりですが、低い車高と長いホイールベース(前輪軸と後輪軸の距離)、アップハンドル、足を前に投げ出すゆったりとしたライディングスタイルが特徴。Vツインエンジンが搭載されていることが多い
です。

ツアラー

タミヤ 1/12 スズキ GSX1300R HAYABUSA(製作/畠中浩(ももふく模型舎)、ホビージャパンエクストラ2016Summer)

高速走行時の快適性を追求しそれに伴う装備が搭載されたバイク。風防性に優れていてライディングポジションも比較的楽になっています。スーパースポーツクラスのスペックを兼ね備えたツアラーもあり、それは「メガスポーツ」や「アルティメットスポーツ」と呼ばれたりします。

トレール

ハセガワ 1/10 ヤマハトレール 250 DT1(製作/きの助、月刊ホビージャパン2018年9月号掲載)

「オフロード」という呼び名のほうが定着しているトレールは、未舗装路も走破できる装備とスペックを持ったバイク。見た目にも特徴的なので分かりやすいです。ツアラーの要素を盛り込まれると「アドベンチャー」、17インチのロード用タイヤを装備すると「モタード」へとジャンルが変化します。


ホビージャパンエクストラ 2018 Autumn

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