鈴木理策写真展「知覚の感覚板」

開催中~2019年1月16日 キヤノンギャラリー S

(c) Risaku Suzuki,Coutesy of Taka Ishii gallery

「自分の中にある先入観を忘れ、ただモチーフを見よ。そうすれば、知覚の感覚板に全ての風景が刻印されるだろう」と語った画家セザンヌ。その言葉に深い感銘を受けた鈴木理策は、近代の画家たちがモチーフに選んだ土地に赴いた。そして、かつて彼らが見たであろう、フランスやアメリカの原風景を写し撮った。

鈴木はセザンヌの絵画について「“何を描いたか”ではなく、“モチーフから感じ取ったそのもの”を私たちに見せてくれる」と表し、その美学を自らの写真表現に撮り入れることを試みている。

写真は、構図やフォーカシング、シャッタータイミングを選択し、情報を絞り込むことで、作家の表現意図を画面に反映させる。その過程の中で見捨てられた世界にあえて目を向け、「表現意図を持たないカメラが、ただ純粋に対象を知覚した世界」の細部を、ていねいに拾い上げた。

<展覧会情報>
鈴木理策写真展「知覚の感覚板」
会場:キヤノンギャラリー S
https://cweb.canon.jp/gallery/archive/suzukirisa-perception/
住所:東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー 1F
開廊時間:10時~17時30分
入場料:無料
休廊日:日曜日・祝日

(c) Risaku Suzuki,Coutesy of Taka Ishii gallery

コマーシャル・フォト 2019年1月号

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