手帳事典
第1回

自分だけのルールで作り上げる”現在の自分を記録する”媒体

手帳事典 2018」は、手帳ユーザー63人のプロフィールとともに活用事例を紹介し、一人ひとり異なる手帳の使い方を知ることができる書籍です。著者の荒川翔太さんは、スマートフォンが普及した現在においても手帳が選ばれる理由を「手帳に書かれていることが情報ではなく情緒だから」と話します。

日頃のスケジュールや体調の管理、ToDoや買い物リストを書き込むばかりでなく、映画の半券や写真を貼り付けたり、その日のファッションや食事内容をイラストで残すなど、手帳の使い方と運用ルールは十人十色。共通してアナログならではの工夫が施されており、まさにライフログと呼ぶにふさわしい、ユニークな活用事例の数々が紹介されています。読んでいるうちに手帳を使いたくなってきてしまう、そんな一冊に仕上がりました。

ここではその中の一つ、「なぷ」さんの手帳をご紹介します。

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手帳事典 2018

 

“痛みログ”で不要ストレスを除去

ユーザー名:なぷ 年齢:30代 性別:女性 仕事:パート・アルバイト

なぷさんのKodawari:大好きな食べ物のパッケージを、楽しく保管できるように工夫しています

きっかけ

進学にともない、休講や考査情報、サークルの予定や締め切り、アルバイトのシフトなど、大幅に予定の管理が増えたため使い始めた。

目的

最大の目的はスケジュール管理だが、体調の変化や日々のログも残しているので、現在の自分を記録する媒体でもある。

ルール

・書き込みタイミングは予定が入った時/所用時間は数分程度
・常にテーブルの上に開いておく
・簡単なアイコンで内容を表記
・内容は蛍光ペンで区別

成果

・体調の変化に気づけるようになった
・感情の変化にうまく対処できるようになった
・タグやチケットの整理整頓ができるようになった

Techo Data

商品名:ポケットダイアリー B6 オジサン柄
メーカー:デザインフィル ミドリカンパニー/価格:1,620 円
サイズ:B6(タテ175 mm×ヨコ123mm)
URL:http://www.midori-japan.co.jp/diary2018/

開くのが楽しくなるユニークなオジサンが満載

おちゃめなオジサンが、紙面のあちこちにいる、何ともかわいらしいデザインの手帳。インデックスの数字まで、オジサンの人文字というこだわりよう。1995年の登場以来、多くのユーザーに愛されている。

手帳の主なコンテンツ

マンスリー

月ごとに色分けされていて、見やすいデザイン

ウィークリー

右ページは罫線デザインのフリースペース

年間スケジュール

見開きで1年間の予定が一覧できるデザイン

メモページ

罫線の入ったメモページ。ここにもオジサンのイラストが

Arakawa’s Recommend

一見派手な使い方でも、オジサン柄が随所に見え隠れすることでトーンを統一できています。シンプルだからカスタムの土台にもしやすいのですね。

1. 内容のジャンル分けは文字の上にラインマーカー

黒で書いた文字の上からラインマーカーを引いて、内容ごとに色分け。外出先では黒で予定だけを書き込んでおき、後でマーカーして整理。文字自体を色分けするよりも効率的に予定管理ができる。

2. 自分なりのルールでアイコンを作成

簡単な絵を描いて内容をアイコン化することで、狭いスペースでも見やすく整理できる。また、ブロックの四隅にも意味づけをして記入を容易に。例えば、左上の角を青で塗っている日は「雨が降った日」。

3. 会期の長いイベントは期間全体にマーカーを

長期イベントの書き込みは、日をまたいで場所や時間を記入。さらにマーカーを引くことで、期間がわかりやすくなる。

4. 月の運行は体調管理と紐づけ

満月や新月の日には、丸いシールを貼る。体調の変化や気分の波など、体調管理に役立つ。

5. ×の日にはほかの予定を入れない

終日予定がある日は、大きく×を書いたり、枠を囲ったりしてブロックする。ダブルブッキングを防ぐための工夫。

6. ウィークリーページは日々のログ

ウィークリーの左ページは、集めている食べ物のパッケージを貼る場所。日付を潰しているので、右ページの書き込みには日付スタンプを捺して、その日にあったことを大見出しつきで、記録に残す。

6-a. パッケージにはひと言感想を添えて

大好きなパッケージには、食べた際の感想をつけ加える。どんな味だったのかを思い出せないことが多かったので、ログを残すことに。

 


<玄光社の本>

手帳事典 2018
手帳事典 2019

著者プロフィール

荒川 翔太


(あらかわ・しょうた)

関西手帳研究会(てちょけん)会長。株式会社ロンド工房クリエイティブディレクター。革小物ブランドdünn代表。関西発ベンチャーメーカーユニット「K3」事務局長。Podcast「ホジラジ」ナビゲーター。

大阪市出身、関西大学社会学部卒。音楽関連会社、手帳メーカーにて勤務後、2011年より家業の町工場の中でメーカー事業を社内起業。皮革製品や紙製品、手帳などの雑貨、文具の企画、デザイン、営業などをほぼ一人でスタートさせる。

イベントやオフ会活動などを積極的に主催し、ユーザー共創型のものづくりを行っている。

書籍(玄光社):「手帳事典 2018」「手帳事典 2019

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