人物が和服を着用した姿のことを一般に「和装」と呼びます。和服は着物(長着)と帯、袴や足袋などの要素を持った日本の伝統的な衣装ですが、映像作品や創作においては、キャラクターの衣装やファッションとして、和装をベースにアレンジしたコーディネートもよく見られます。
イラストレーター 神威なつきさんの著書「レトロモダンな和装の女の子 キャラクターデザインブック」では、和服の要素に「ファンタジー」や「花」などのテーマをかけあわせ、キャラクターの衣装として成立させるアイデアを多数収録。組み合わせたモチーフと合わせて、衣装を着たキャラクターの作例を掲載しています。衣装デザインのアイデア帳として、イラスト集としても楽しめる一冊です。
本記事では第2章「童話」より、「不思議の国のアリス」をモチーフとした和装アレンジの例を紹介します。
不思議の国のアリス
アリスは好奇心旺盛な女の子。作中のキャラクター性をベースに、トランプ柄や時計など、物語に出てくるアイテムを取り入れます。
エプロン×アリス
デザイン意図
セーラー襟の着物、ブラウス、エプロン、袴風のスカートを組み合わせています。水色をベースにフリルやレースをふんだんに使い、トランプ柄をモチーフにした小物や模様、リボンをつけてかわいらしいデザインに。作中に出てくる時計も和風にアレンジして、和製要素を追加しています。
- 上はフリルやリボンなどでボリューム感を出し、下は飾りを控えめにしてメリハリをつけている。
- 和風懐中時計を参考にしたデザイン。
- 袴のシルエットをベースに、メイド服の要素を多めに取り入れている。
和風懐中時計
文字盤が十二時辰になっている。
帽子屋×アリス
デザイン意図
物語の帽子屋の設定をベースに、燕尾服と着物を掛け合わせています。帽子屋ということで裁縫に使う物を取り入れたり、トランプを意識した柄や小物をあちこちに入れたりしています。和柄ばかりで雑然とならないように、革素材のアイテムをアクセントとして使用しています。
- ボタンやミシン糸など裁縫に使うものを装飾にアレンジ。
- アリスを意識して首元にリボンをつけている。
- 市松模様の着物。ほかの柄とごちゃごちゃしないように部分的に入れている。
服装
燕尾服に帯をつけたデザイン。