「アジアンファンタジーな女の子のキャラクターデザインブック」では、特にアジアンテイストなファンタジー世界観に登場する女性の服装デザインをメインテーマに据え、アジア各地の伝統的な民族衣装をベースに、女性キャラを個性的でかわいく見せるアレンジのアイデアを多数収録しています。
民族衣装の基本的なスタイルの紹介にはじまり、現代において一般的な服装やファンタジー衣装、特定のモチーフが持つ要素をかけあわせながら、キャラクターデザインに反映する手順を章ごとに分けて、段階的に紹介。ほぼすべての衣装をフルカラーで収録しており、配色のアイデア帳としても使える一冊です。
本記事では第4章「モチーフ×民族衣装」より、「鬼灯×民族衣装」のアレンジ例を紹介します。
「鬼灯」は日本の夏の風物詩。厄除け、縁起物としても
鬼灯×バジュクロン(マレーシアの民族衣装)
鬼灯の大きな実を携える、努力家で頼りになるキャラクターをイメージ。バジュクロンがシンプルなシルエットなので、スカーフのアレンジで動きを出してみました。スカーフから鬼灯の実や葉を生やしていますが、絵の構図やバランスに合わせて数や大きさを変えるとよいでしょう。服の柄も鬼灯にして、かわいらしさを加えています。
- 服は鬼灯やスカーフの色が際立つよう、濃い藍色にしています
- 向かって右側のスカーフを鬼灯と合わせて大きく見せているので、対比するよう軽く左に流しています
- 茶色の靴は、鬼灯のオレンジ色を入れることで軽めの印象に
鬼灯×チュバ(中国・インドの民族衣装)
一人旅をしている設定で、日や雨よけのための大きな笠をかぶっています。襟周りや裾にチュバのデザインを残しつつ、配色やアイテムでモチーフの要素を加えていきました。手には鬼灯の独特な形を取り入れた、夜道を歩くための提灯を持たせています。スカートは鬼灯の葉を重ねたような質感で表現しました。
- 鬼灯は形が特徴的でかわいらしさもあるので、そのまま大振りのイヤリングに
- 提灯は「すかし鬼灯」をモチーフに。中央の実が、灯になっているイメージです
- バッグは、全体のシルエットを崩さないようシンプルで小さな作りのものに
スカートの広がりに合わせて、笠を大きくすると全体のバランスがよくなります。笠を外した姿はこんな感じ。
ネックレスのアレンジ
アクセサリーの素材を変えてモチーフの質感に変化をつける
同じ鬼灯のモチーフでも、ネックレスそのものの質感を変えることで、キャラクターの印象も大きく変わってきます。左から順に、実物の透かし鬼灯、金属、天然石の勾玉、木製のビーズ、の素材で作られたネックレスをイメージしています。植物や木のアクセサリーはやわらかくあたたかい印象が強く、石や金属製のアクセサリーは重厚感や高級感が増します。