イラストにおいて人物の動きを表現するには、まず人体構造の理解が必要です。「動きのあるポーズの描き方」シリーズでは、キャラクターに設定された年齢や体型ごとの特徴、表情、ポーズを描く上でのポイントを詳細に解説。今回紹介する「セクシーキャラクター編」では、主に女性キャラクターの「色気」を表現するための基本を解説しています。
著者のkyachiさんは本書の中で、セクシーな絵とは「生々しさを感じさせる絵」であると説明しており、胸やお尻などのわかりやすい部分だけでなく、関節や筋肉がつくる出っ張りや凹み、服の食い込み、表情など様々な要素を組み合わせた結果として「セクシー」な表現が生まれるといいます。
本記事ではチャプター4「セクシーな衣装」より、濡れて透けた服の表現方法を紹介します。
濡れた服の表現
服は濡れると透けたり、体にぴったり密着したりします。どう変化するかを見ていきましょう。
濡れると服はシワが多くなり、体に密着している部分は透けます。透けさせる場所を考えながら描きましょう。
乾いた服
濡れた服
- ふくらみのある胸部分は、生地が密着する部分なのでブラジャーのラインが透ける。
- したたり落ちる水で、びっしょりと濡れている様子を表現。
実際にはあまり透けないショーツの部分を、演出として透けさせるのもあり。
厚い生地
生地が厚いと、濡れた分重くなり、重力に沿って下に落ちる。
袖や裾などに水が集まり、したたり落ちる。
薄い生地
貼りつくことで、透けだけでなく体のくびれも表れるようになる。
ぴったりした生地
体に密着した生地の場合、濡れてもシワはほとんど増えないが、生地が透けるようになる。
おへそや鼠蹊部のラインなども透ける。
濡れたセーラー服
濡れた服の表現ができるようになると、さまざまなシチュエーションを描くことができます。濡れたセーラー服を例に見てみましょう。
- ぴったりと貼りついているのでブラジャーがくっきりと透けている。
- リボンの先端には水が集まり、したたり落ちている。
- ハリのあるブラウスの袖は、捲り上げることで密集する。
- 太ももに貼りついているため、足のラインが出る。
絞る時の手の角度に注意。それぞれの部分の生地の厚さや素材を考えながら描きましょう。
<玄光社の本>