イラストにおいて人物の動きを表現するには、まず人体構造の理解が必要です。「動きのあるポーズの描き方」シリーズでは、キャラクターに設定された年齢や体型ごとの特徴、表情、ポーズを描く上でのポイントを詳細に解説。今回紹介する「セクシーキャラクター編」では、主に女性キャラクターの「色気」を表現するための基本を解説しています。
著者のkyachiさんは本書の中で、セクシーな絵とは「生々しさを感じさせる絵」であると説明しており、胸やお尻などのわかりやすい部分だけでなく、関節や筋肉がつくる出っ張りや凹み、服の食い込み、表情など様々な要素を組み合わせた結果として「セクシー」な表現が生まれるといいます。
本記事ではチャプター3「セクシーを表現するパーツ」より、女性の表情や仕草に関連する「手」の表現についての記述を抜粋して掲載します。
手の表現
セクシーな仕草を描く時に欠かせない手は、角度とくびれがポイントです。
すらりとした手は女性らしさを象徴するもの。ただ細いだけではなく、関節の位置に合わせてふくらみやくびれを作りましょう。
手の構造
関節がたくさんある手は、それぞれの可動域を考えて描くことが大切です。
関節のある位置にシワができる。
- 第二関節がふくらむので、その下は少しくびれる。
- 第二関節から先はシュッと細くなる。
- (親指側から手首にかけて)直線的になる。
- (小指から手首にかけて)なめらかな曲線。
- 手首の可動域は約40度。
手の曲がり方
頰づえをついているところです。指や手首の関節の曲がり方に注意して描きましょう。
手指の構造
繊細に動く手指は、たくさんの関節が集まっています。構造を理解して美しく描きましょう。
- 爪の縦幅は、指先から第一関節までの長さの1/2くらい。
- 関節と関節の間は台形をイメージするとよい。長方形だとあまり曲がらない。
- アタリを描く時は、指の中心ではなく関節の頂点を意識すると形が取りやすい。
- 関節はひし形をイメージして描くとよい。
- 中指の関節は出っ張っているので、横から見ると人差し指の関節が見えない。
- 筋を入れると華奢に見える。
さまざまな手指の仕草
手を組む
指が重なっている位置に気をつけて描く。それぞれの指が交互に重なるようにする。
腕を組む
腕を組むことで胸が寄る。腕を指でつかんでいるので、食い込んでいる様子を描く。指と腕がくっついているところは、線を消すと密着している感じが出る。
<玄光社の本>