キャラクターデザインのための髪作画
第1回

「髪を描く基本」キャラの個性を印象づける「髪型」の構成要素

キャラクターイラストにおけるヘアスタイルは、その人物の個性を印象付ける重要な要素です。描ける髪型のレパートリーが増えれば、キャラクター表現の幅が拡がります。

キャラクターデザインのための髪作画」では、イラストレーターの夏目レモンさん、ネコサンさん、maruさん、葉月ナツさんによるヘアスタイルの作例を多数収録。アタリからラフ、線画、着色のほか、メインに解説したヘアスタイルのアレンジ例も3パターン用意しています。監修はヘアメイクアップアーティストのAKIさん。

ヘアアレンジはとても奥深く、緻密に計算された世界です。例えば、漠然と「ボブ」という髪型を描こうとしてもカットラインの角度や、部分ごとの毛量を変えることで仕上がりが変わります。カールをつけたり、髪の巻き方の種類を知ることで、さまざまなスタイルの「ボブ」を生み出すことができます。(「Prologue」より引用)

本記事ではPart1「髪を描く基本」より、ヘアスタイルを構成する各部位と、髪型表現のテクニックについて紹介します。

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キャラクターデザインのための髪作画

髪のセクションを理解しよう

「セクション」は、頭部をヘアスタイルの役割ごとに分けた範囲です。セクションごとに髪の長さを変えたり、カールをつけたりします。

髪型の基本をつくる3つのセクション

セクションは厳密に決まっているわけではありませんが、基本的には「フロント」「サイド」「バック」の3種類に分けられます。また、髪型に関係する部位として、トップ、えり足、はちなどがあります。

髪の奥行きをつくる3つのセクション

さらにセクションを分けて、髪に奥行きを生みます。基本的には頭部の上側の「オーバー」と、下側の「アンダー」で十分ですが、髪型によっては中間の「ミドル」を使うこともあります。

「オーバー」と「アンダー」はハーフアップの髪型をつくると、わかりやすい、すくいとって結ぶ外側の髪が「オーバー」、内側にそのまま残す髪が「アンダー」になる。

髪の外側と内側とで長さを分けるカット

奥行きをつける方法に、髪の外側と内側の長さを変えて段差をつけるテクニックがあります。「ワングレンス」「グラデーション」「レイヤー」の3つを使い分けましょう。※イラストはわかりやすいように誇張しています。

ワンレングス
外側と内側が同じ長さ


内側と外側の髪の長さが均一。オーバーが全体を覆っているため、おさまりがよく自然な印象になるのが特徴。

グラデーション
外側と内側の段差が狭い


内側と外側の髪の段差の幅が狭く、密で細かくなっている。ふんわりと立体感のある印象。

レイヤー
外側と内側の段差が広い


内側と外側の髪の段差がはっきりあり、髪に動きをつけたり、ボリュームを増やして見せることができる。


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