写真が上達するキーワード事典
第8回

画像調整時に気をつけたい「トーンジャンプ」

多くの人がスマートフォンを手にするようになり、日常的に写真を撮るようになりました。近年のスマホはアプリの機能も充実しており、特に写真撮影の知識がなくても、ひとまず使っていれば使い方は覚えられるものです。

ただ、TLで見かけたインフルエンサーの写真のような、目を惹く写真を撮りたい!となると、用語の意味を知る必要が出てきます。

写真が上達するキーワード事典」では、写真撮影にまつわる100の用語を個別に解説。本格的に写真を学ぶにあたって頻出する用語について理解を深めることができます。

本記事では「トーンジャンプ」について解説します。

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過度な画像処理による画質劣化で起こる現象

ハイライトからシャドウにかけてのなだらかな階が損なわれて再現性が悪くなり、縞模様や帯のようなものが見えてしまうことを「トーンジャンプ」といいます。以前は明るさやコントラストなどを少し調整しただけで起こったものですが、近年はデジタルカメラの多画素化であまり気にならなくなりました。それでも過度な調整を加えると階調の連続性が損なわれ、グラデーションが 縞模様になることがあります。「階調飛び」「バンディング」ともいわれ、後者はプリントのスジや色ムラに対して使われることもあります。

トーンジャンプは空や人肌などの微妙なグラデーションで目立ちやすく、カメラによっては未調整のJPEGでも出てしまったり、階調補正機能が影響することもあります。基本的にRAWデータがあれば解決できますが、16bitで現像しても出てしまうこともあり、妥協して調整を控えめにすれば目立たなくできます。画面全体にノイズを入れて階調をつなげたり、トーンジャンプが気になる部分だけをぼかしを入れ、さらにノイズを加えて周辺になじませるといったプリントの際の画像処理のテクニックもあります。

グラデーションが縞模様になる

滑らかなグラデーションが損なわれて縞模様になるのがトーンジャンプです。明るさやコントラストなどの過度な調整を行った画像のヒストグラムを確認すると、本来は滑らかな色や明るさの階調があるのに、その変化が連続性を欠いて段々に再現されていることが分かります。

左:滑らかなグラデーション 右:トーンジャンプしたグラデーション

コントラストを上げる(下げる)

画質劣化が主な原因ですが、過度な画像処理を行わなくても太陽の周りの空などではトーンジャンプが起こりやすいです。階調の連続性が損なわれていても、複雑な絵柄の部分では埋もれてしまうためトーンジャンプは目立たなくなります。


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著者プロフィール

岡嶋 和幸

岡嶋和幸(おかじま かずゆき)

1967年福岡市生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「ディングル」「風と土」のほか著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」「潮彩」「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」「九十九里」「風と土」「海のほとり」などがある。

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