キャラクターイラストにおけるヘアスタイルは、その人物の個性を印象付ける重要な要素です。描ける髪型のレパートリーが増えれば、キャラクター表現の幅が拡がります。
「キャラクターデザインのための髪作画」では、イラストレーターの夏目レモンさん、ネコサンさん、maruさん、葉月ナツさんによるヘアスタイルの作例を多数収録。アタリからラフ、線画、着色のほか、メインに解説したヘアスタイルのアレンジ例も3パターン用意しています。監修はヘアメイクアップアーティストのAKIさん。
本記事ではPart1「髪を描く基本」より、髪型を構成する4要素のうち「髪の長さ」と「カットライン」について抜粋して紹介します。
髪型のシルエットを設定しよう
髪型はキャラクターの個性を表現する大切な要素。漠然としたイメージで描きはじめる前に、明確な髪型のシルエットをつくりましょう。
髪型をつくる要素を4つに分ける
最初に、髪型を構成する要素を4つに分解してみましょう。要素ごとにどのようなパーツや種類、アレンジ方法があるのかを確認し、自分が描きたい髪型を組み合わせていきます。
- 髪の長さを決める
- カットラインを決める
- 毛先の向き・カールの付け方を決める
- 前髪のスタイルを決める
1. 髪の長さを決める
6種類の長さに分ける
まずは、どのくらいの長さの髪を描きたいのかを決めましょう。髪の長さは大きく分けて「ショート」「ボブ」「ミディアム」「セミロング」「ロング」「スーパーロング」の6種類に分かれます。また、ショートよりもさらに短い髪型は「ベリーショート」になり、ボーイッシュな雰囲気になります。
2. カットラインを決める
髪型の形を決める3つのカットライン
髪の切り口のことをカットラインといい、「並行」「前上がり」「前下がり」があります。同じ長さの髪型でも、カットラインが異なると、仕上がりの形が変わります。
並行
毛先の切り口が並行のため、安定して落ち着いた印象に仕上がる。
前上がり
顔まわりがスッキリするため、明るくかわいらしい印象に仕上がる。
前下がり
おさまりがよく、大人っぽく落ち着いた印象に仕上げる。
セクションごとにカットラインを変える
カットラインを「サイド」と「バック」のセクションごとに分けて考えてみましょう。同じラインでそろえればまとまった印象になり、違うラインにすればメリハリがつきます。
サイドとバックが同じライン
サイドとバックを同じ「前下がり」のラインにそろえた髪型。セクションがつながることで統一感が出ます。自然な仕上がりに。
サイドとバックが違うライン
サイドは「並行」、バックを「前上がり」のラインにした髪型。サイドとバックがきっぱりと分かれます。モードな仕上がりに。