自分の作品や自社の商品を紹介する手段のひとつとしてSNSを使う手法は定着して久しく、さりとてこれを自分でやってみると、意外と思ったようにはいかないものです。写真をはじめとしたビジュアルの組み合わせによって作品やブランドの持つ世界観を表現する基本は今も昔も変わりませんが、そのノウハウは日々進化しています。
「Instagram あたらしい商品写真のレシピ」では、Instagramの特性と他SNSとの比較や、カタログとして機能させるための具体例、掲載写真の作例まで、一般ユーザーから一歩踏み込んだ、作り手による情報発信の視点で役立つ実用的なノウハウを幅広く紹介しています。執筆を担当しているのは、インスタグラムをはじめ活躍の場を広げているフォトグラファー/インスタグラマーの綾さん、古性のちさん、6151さん、新田知沙さん、中野晴代さん。
本記事ではStep4「被写体×世界観に合った撮り方を覚える」より、アジサイを例とした花の撮影と加工の一例を紹介します。
植物×クール
雨の水滴でアジサイのみずみずしさを表現する
撮影難易度 ★★
撮影データ:スマートフォンで撮影
Item
・スマートフォン(iPhone 7 Plus)
・透明なビニール傘
Recipe
1. 雨の日を狙って屋外で撮影します。アジサイは、なるべく色が変色していない部分を探すと、よりみずみずしくなります。
Memo:雨の日は自然光が弱く周囲が暗くなりやすいので、アジサイの存在感が引き立つように、スポットライトのように照明を当てるのもおすすめです。
2. 透明なビニール傘を差して、傘ごしにアジサイを撮影します。スマートフォンのレンズの特徴である被写界深度の深さを利用すると、雨粒とアジサイの両方にピントが合わせることができ、クールな印象になります。
Memo:傘と水滴を使ってイルミネーションや夜景の撮影をしても、おもしろい表現ができます。
3. 周りの余計なものが写らないように、アジサイの花の部分に近づいて撮影します。画面に暗い影の部分を入れることで、点々と広がる雨粒の存在を強調することができます。
Variation
自然の光をスタンプ感覚で加工できる画像編集アプリ(Lens Distortions)で、光のエフェクトをかけると、味のある写真に仕上げることができます。
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