人物が和服を着用した姿のことを一般に「和装」と呼びます。和服は着物(長着)と帯、袴や足袋などの要素を持った日本の伝統的な衣装ですが、映像作品や創作においては、キャラクターの衣装やファッションとして、和装をベースにアレンジしたコーディネートもよく見られます。
イラストレーター 神威なつきさんの著書「レトロモダンな和装の女の子 キャラクターデザインブック」では、和服の要素に「ファンタジー」や「花」などのテーマをかけあわせ、キャラクターの衣装として成立させるアイデアを多数収録。組み合わせたモチーフと合わせて、衣装を着たキャラクターの作例を掲載しています。衣装デザインのアイデア帳として、イラスト集としても楽しめる一冊です。
本記事では序章「レトロモダンな和装の基本」より、部分アレンジの例とデザイン要素として加える「柄」について抜粋して紹介します。
部分アレンジの仕方
ベースとなる和装に別のアイテムを足したり、置き換えたりすることでオリジナルのデザインを作ることができます。
袖
カフス+リボン
着物の袖にカフスをつけて、袖のシルエットを変えずにブラウスの袖のようにアレンジしている。
パーカー+ジッパー
パーカーに着物の袖がついているようなイメージ。ベルトやジッパー、3本ラインを入れて現代風にアレンジしている。
帯
ベスト+帯締め
帯の代わりにベストを着せて、女性らしく帯締めをリボン結びにアレンジしている。
ベルト帯
帯の代わりにベルトをつけて洋の要素を入れている。このスタイルは現代でも流行っている。
デザイン柄
衣装の要所要所にデザイン柄を施すことでもレトロ要素やモダン要素を加えることができます。オリジナルの柄を入れれば、独得の世界感が生まれます。
伝統和柄
矢絣柄(やがすりがら)
矢羽を図案化した文様。明治・大正時代に女学生の間で流行した。現代では卒業式で着用する袴の柄で人気。
紗綾柄(さやがら)
卍(まんじ)という漢字を斜めに崩して連続的につなげた模様。卍は仏教用語で「宇宙」「無限」という意味を持つ。
麻の葉模様
六角形を規則的に配列した柄。麻の葉に形が似ていることから、「麻の葉模様」と呼ばれる。
アレンジ柄
青海波柄風
花七宝柄
水玉・ドット柄