オンラインでポーズを指示してスクリーンショットで「撮影」した
人と会うこともできず、撮影もままならない状態が続いている。そんなオンラインでしか人と会えない状況を逆手にとって、写真家の蜷川実花はリモートでポートレイト撮影に挑戦。しかも、被写体は女優の池田エライザだ。
「エライザとZoomアプリでつないで、『もう少しこうして』など指示を出し、私が自分のPC画面をスクショしました。今回は、そうやって撮影したエライザの背景に、私の花の写真をあわせています」(蜷川実花)。
とてもリモートは思えない魅力的な表情を引き出せているのは、日頃から被写体との関係性がしっかりとできているからなのだろう。
「今のこのつらい状況の中でどれだけ楽しい幸せなことを見つけられるか、もしかしたら心の持ちようとちょっとしたアイデアで乗り越えられることもあるかもしれないと思っていて。そんな中で『これならできるかも』と思いついたのが、リモート撮影です。直接会えず、離れた場所にいるので、撮る側の指示を明確に出す必要があります。また、技術に寄りかかれないぶん、より被写体との関係性が浮き彫りになるなと感じました。とても制限があるけど、意外と大切なところは残るという実感です。斎藤工くんもリモート撮影させてもらったんですが、リモートなのに距離感が近い、プライベートな雰囲気の写真になりました。リモート撮影は、相手がどこにいても、どの国にいても撮影できることが面白く、可能性を感じています」。
どんな状況でも表現者の本分を忘れずに発信する。しかも「蜷川実花らしさ」も失っていない。
もしかすると、これからはもっとこのような積極的に新しいことを取り入れていく姿勢が求められているのかもしれない。
なお蜷川実花のYouTubeチャンネルでは、自身が出演してリモート撮影方法の解説動画を公開している。動画のモデルは玉城ティナ。
撮影時の様子。オンラインで話しながらスクリーンショットで撮影。