今にも動き出しそう!本物と見間違うほどリアルなフィギュアたち。竹内しんぜんさんは、著書「粘土で作る! いきもの造形」(ホビージャパン刊)のなかで、自然が作り出した様々な生き物の活き活きとした姿をフィギュアとして再現するための方法を解説しています。本書は今までの技法書と異なり、モチーフとなる動物を観察するため、製作者自身が動物園に足を運び、そこで働く飼育員の皆さんにも取材を行い、図鑑や写真だけでは知ることのできない生の情報を元に製作しています。
本連載では、アフリカゾウを粘土でつくるテクニックとその手順を細かく公開します。
母ゾウの製作3 頭部の完成〜体全体の組み込み
梨状口(鼻の穴)に当たる部分に穴を開け 、アルミ線を差し込み適当な長さにカットします。
鼻の曲がり具合は全体のバランスを見ながら調整します 。ポーズが決まったらアルミ線の根元を粘土で固定し、
アルミ線全体を粘土で覆います。粘土は少しずつ盛りつけ、乾かしながら徐々に太くします。
頭骨の、耳の根元が付く辺りに穴を開け
アルミ線を差し込み耳介上側の輪郭に合わせカットし、曲げます。アルミ線を粘土で覆い、乾かします。
その内側に膜状に伸ばした粘土を取り付けます。
耳の下部は特に柔らかい印象になるように自然なカーブを付けて乾燥させます。
耳の製作の続きです。さらに粘土を足していき、後ろ側に折り返してたれた部分も作ります。
左右のバランスも確認しながら、修正したい部分が見つかれば彫刻刀などを使って削ります。さらに粘土を足して耳の形になりました
尻尾も別パーツとして作ります。適当な長さにカットしたアルミ線を用意し、これに粘土を巻き付
けます。
胴体には尾を差し込めるように穴を開けておきます。
いよいよアフリカゾウらしくなってきました。頭部と尻尾はこの時点ではまだ胴体に接着していません。
次回は、象の皮膚をリアルに表現する方法を解説します。