フォトグラファーが教えるCanon EOS R & RP撮影スタイルBOOK
第3回

Canon EOS R/RPの絶品画質を味わう MFでのピント合わせに役立つ「フォーカスガイド」を活用しよう

「EOS R」「EOS RP」は、キヤノン最初のフルサイズミラーレスラインナップを支える2機種です。新たにRFマウントを採用し、対応するレンズはまだまだ少ないながらも、RFシステムが生み出す写真、その画質はユーザーから評価を得ています。

フォトグラファーが教えるCanon EOS R & RP撮影スタイルBOOK」では、キヤノンRFシステムの操作や設定の解説とともに、フォトグラファー自身の手による交換レンズの作例とレビューを掲載。これからRFシステムを使いこなすにあたって、指針となる情報が得られる一冊となっています。

本記事では、Chapter4「Canon EOS R/RPの絶品画質を味わう」より、ファインダーとMFでのピント合わせに関連する記述を抜粋して紹介します。

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フォトグラファーが教えるCanon EOS R & RP撮影スタイルBOOK

高性能EVFで軽快に撮影する

OVFと同じ操作でEVFならではの情報が見える
ミラーレスカメラには、EVF非搭載機、EVF外付機、EVF内蔵機の三種類がある。EVF非搭載機は、背面モニターでの画づくりとなるが、晴天下など、光線状態によっては見えにくい場合がある。しかし、内蔵であれ外付であれ、EVFならばOVFの一眼レフと同じく「のぞき込む」ので、外光の影響を受けないという利点がある。

EOSR/RPはEVF内蔵機。撮影情報はファインダー画面の下側に並ぶが、水準器情報などは、画像と重なって表示される。なお、インフォボタンを押すと、その表示の切り換えが簡単にできる。とくに優れている点は、縦位置にすると、撮影情報も縦表示となること。瞬時に情報を読みとれるので、撮影にはずみもつく。

そして、EVFのメリットといえば、暗所に強いこと。OVFでは見えにくい暗さでも、明るさを調整すればしっかりと確認できるのである。一方、EVFで弱点とされる動体への追従性能だが、EOSR/RPでは気になるほどの遅れはない。

EVF内の情報を整理する
初期設定のままだと、EVF内に表示される情報が多く、被写体の上に重なるなど、画面が見づらくなる場合がある。

その場合は、「水準器のみ表示」「ヒストグラムのみ表示」など、状況に合わせて「ファインダー情報表示カスタマイズ」で情報を整理するとよい。

EVFの縦表示
横位置でのEVF表示。

「機能設定タブ4」→「撮影情報表示設定」→「ファインダー縦表示」が「入」になっていれば、カメラの構え方に合わせて、自動で縦表示に変わる。

高性能EVFで撮影の楽しみが広がる

EVFであれば仕上がりを確認しながら撮影できるので、繊細な表現にもチャレンジしたくなる。 EF100mm F2.8L マクロ IS USM・F11・1/80・ISO200・三宅 岳

フォーカスガイドでシビアなピント合わせ

MFでのピント合わせをフォローしてくれる
EOS R/RPはもともとピントを追い込みやすいが、それに加えてピントを精緻に合わせる手段が三つもある。一つ目はフォーカスエリアの拡大が簡単にできること。しかもMF・AFを問わずだ。初期設定の場合、「拡大ボタン」を押して「インフォボタン」を押せば、即座にフォーカスエリアが拡大表示される。

二つ目は、MFピーキング。これはピントの合っている場所が着色される機能だ。色は赤・青・黄の三色から選ぶことができる。

そして、三つ目はEOS RPには搭載されていないが、MF時のフォーカスガイドだ。視覚的にピント調整量が示される点で前述の二つよりわかりやすい。また、MFピーキングが「ピントの合っている空間」を着色してくれるのに対して、フォーカスガイドは「そのポイントに対してピントが合っているかどうか」を示してくれる。

これらの機能を使いこなすことができれば、シビアなピント合わせが要求される大口径レンズでも、しっかりとピントが合わせられるようになる。なお、M‐Fnバーにピントの情報表示(拡大)を割り当てることもできる。

フォーカスガイドの設定
「AFタブ2」→「フォーカスガイド」から設定できる。「入」に設定してもAF使用時には作動せず、MF使用時のみ作動する。

ピントがボケていると、マーカーの間が広く空いている。

ピントが合ってくると、マーカーが近づく。

合焦するとマーカーが重なり、緑色になる。

細部まで厳密にピントを合わせられる

ピント合わせがシビアになるマクロ撮影。ここでは葉の先でしたたる水滴にピントを合わせている。TS-E90mm F2.8L マクロ・F5.6・1/8・ISO400・三宅 岳

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