ぼろフォト解決シリーズ Canon EOS 6D Mark II 脱・初心者マニュアル
第6回

デジカメ初心者に知ってもらいたい、たった一つのキーワード〜背景をぼかすにはどうしたらいい?「ぼけ具合」を決める基本要素〜

Amazon Kindleを中心にレンズやカメラの情報を発信する「ぼろフォト解決シリーズ」は、『ボロい写真を解決する』ための様々なテクニックを紹介する電子書籍です。「絞り優先に挑戦し本格的な撮影をはじめる! Canon EOS 6D Mark II」では、シーンに応じた機能の使いこなし方をはじめとして、具体的な撮影のワークフローや、各種交換レンズの活用法を解説しています。

本記事では、「脱・初心者のためのぼけコントロールの基本」から、被写界深度やぼけ具合を決める各要素についての記述を抜粋して紹介します。

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「絞り優先に挑戦し本格的な撮影をはじめる! Canon EOS 6D Mark II」

ぼけと被写界深度の関係を知っておこう

写真には、ピントが合っているように見える部分とピントが外れてぼけて見える部分がある。このピントの合って見える / 見えない原則について知っておこう。

被写界深度とはピントが合って見える範囲のこと

ぼけが大きい(F2.8)
EF100mm F2.8Lマクロ IS USMで絞り開放のF2.8で撮影している。手前の瓶にピントを合わせて背景がぼけている。このぼけて見える範囲が広い状態を「ぼけが大きい」「被写界深度が浅い」ともいう。

ぼけが小さい(F11)
EF100mm F2.8Lマクロ IS USMで絞り値をF11にした。手前の瓶全体にピントが合ってかたちがよくわかる。このピントが合って見える範囲が広い状態を「ぼけが小さい」「被写界深度が深い」という。

ぼけと被写界深度の関係
「ぼけ」とは写真のなかで、「ピントの合っている範囲」から外れた部分のことをいう。いっぽう、この「ピントの合っている範囲」のことは「被写界深度」という言い方もある。絞り優先AEの楽しさは、このぼけと被写界深度を上手にコントロールすることにある。

掲載写真は同じ構図で絞り値を変えて撮影したもの。ぼけが大きく被写界深度が狭いと、全体的にやわらかい雰囲気に仕上る。いっぽう、ぼけが小さく被写界深度が深いと被写体をしっかり描写できる。このぼけを活用した印象のちがいを写真に活かしたい。

ぼけコントロールの基本を理解しておこう

絞り優先 AEで被写界深度を狭く、すなわちぼけを多く発生させるには一定の法則がある。ここでは、ぼけ発生の基本を理解していこう。

ぼけ具合を決める 4つの基本要素を知る

F値:小さいほどぼける、大きいほどぼけない
絞り優先 AE で変更可能な F○○という数値が小さいほど(レンズが明るい、開放 F 値が小さい)ほど、ピントを合わせた被写体の前後がぼけやすくなる。

焦点距離:長いほどぼける、短いほどぼけない
もし同じ明るさ(F値)のレンズで撮影したとすると焦点距離の長いレンズのほうがぼける。焦点距離とは、レンズなどに記載された○○mmの○○部分の数字

撮影距離:短いほどぼける、長いほどぼけない
同じ F値で同じ焦点距離のレンズを使ったとしても、カメラから被写体(ピントを合わせた位置)までの距離が短いほど、ぼけは大きくなる。

背景距離:遠いほどぼける、近いほどぼけない
同じ F値で同じ焦点距離のレンズを使って同じ撮影距離で撮影したとしても、被写体(ピントを合わせた位置)から背景が遠いほど背景は大きくぼけてみえる。

EOS 6D Mark IIでうまくぼかすには

複数のカメラがあり、その撮像素子のサイズが同じであれば、基本的に上の 4つの要素によってぼけの大きさは変わる。また、撮像素子サイズが大きくなるほど、よりぼけを得やすい。EOS 6D Mark IIに採用されている 35mm判フルサイズ撮像素子は一般的なコンパクトデジタルカメラやスマートフォンよりもずっと大きくぼけを得ることができる。さらに、上の4つの要素を上手に利用しよう。たとえば、大きくぼかすなら絞り値をできるかぎり小さくし、望遠端を用いて、最短撮影距離付近で撮影し、背景との距離を大きく離すことを意識しよう。


「絞り優先に挑戦し本格的な撮影をはじめる! Canon EOS 6D Mark II」

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