中西敏貴写真展「Kamuy」キヤノンギャラリー Sにて開催

2020年9月19日(土)~10月31日(水) キヤノンギャラリー S

キヤノンは東京都港区にあるキヤノンギャラリー Sにて、中西敏貴氏による写真展「Kamuy」を開催する。会期は2020年9月19日(土)~10月31日(水)で入場は無料。

本展は、写真家の中西敏貴氏が大雪山の麓にある美瑛町で自然や農風景と長年向き合いながら、アイヌの人々の自然観に人と自然との関わりの答えを探し求め、両者の共存の道を写真によって表現した最新作、約40点を展示。作品は主にEOS R(一部EOS 5DMarkIV)で撮影され、キヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントしたものが展示される。

また、9月26日(土)にはトークイベントも予定されており、本展の制作物デザインを手掛けたアートディレクターの三村漢氏をゲストに迎え、撮影時のエピソードなどが聞ける。トークイベントの参加にはウェブサイトより申し込みが必要で、先着100名、参加費は無料。
本展およびトークイベントの詳細につきましては、こちらよりご確認ください。

なお会場では、10月2日発売予定の中西敏貴氏の写真集「カムイ」(玄光社刊)を会場にて先行販売する。

中西敏貴写真集 カムイ

 

(C)TOSHIKI NAKANISHI
(C)TOSHIKI NAKANISHI
(C)TOSHIKI NAKANISHI

 

北海道の先住民族であるアイヌの人々は、森羅万象に“ カムイ” の存在を意識してきたといいます。美しくて恐ろしく、遠くて近い人間と表裏一体の存在として。ヒグマのことを「キムン・カムイ」といい、風のことを「レラ・カムイ」と呼んだ彼らは、どんな気配を自然から感じ取り、どのような自然観で風景を見ていたのでしょうか。

森を歩けば獣の気配を感じ、山に入れば唸り声をあげる風に出会う。吹雪の日の叫ぶような風の音は聴覚を奪い、厳しい冬の日には無の中に気配を感じる。目には見えないが、確かにそこにある、そこにいる。自然に溶け込むような暮らしを続けることで、山や川、そして風さえもが自らと親しいつながりを持ち始めてきます。少し詩的な言葉を借りるとすれば、人知の及ばない“ 気配の集積”としての風景に自らの無意識の領域が触れたような気がしたのです。

その見えない気配のようなものを写真によって描き出すことで、文字を持たなかったアイヌの人々の自然観に触れることはできないだろうか。そして、私の中にある内なるものが、自然という外なるものと、どのようなつながりを持ち得ているのかを知ることができるのではないか。人と自然の関わりの答えを探し始めた私の意識は次第に人里から山へと向かい、そして今は宇宙にまで拡張しようとしています。

人に悪さをする神のことをアイヌの人々は「ウェン・カムイ」と呼びます。2020年の世界では、目には見えないウェン・カムイとの戦いを強いられているのかもしれません。視覚化され、安定的な美しさに溺れていた時代は終わりを告げ、目には見えないものを感じ、共存しつつ生きていかなければならないようになりました。そんな時代だからこそ、目には見えない“ カムイ” の気配を探ることで、現代に生きる我々が自然といかにして関わり、どのように共存して生きていくべきかの、一つの道が見えるような気がするのです。(作家メッセージ引用)

<写真展情報>

中西敏貴写真展「Kamuy」

会期:2020年9月19日(土)~ 10月31日(水)
時間:10:00~ 17:30(当面の間、10:30~ 17:00時の時間短縮となっています)
休館日:日曜日・祝日
会場:キヤノンギャラリー S
住所:東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー1階
交通案内:JR 品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
入場料:無料

<トークイベント情報>

日時:2020年9月26日(土)14:00~15:00
会場:キヤノンホール S (住所:東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー3階)
内容:本展の制作物デザインを手掛けられたアートディレクターの三村漢氏をゲストに迎え、撮影時のエピソードなどをお話しします。
申込:ウェブサイトより申し込み
定員:100名(先着申込順、参加無料)

※ 状況によっては中止になる場合がございます。予めご了承ください。
※ 新型コロナ感染防止対策として以下の点にご協力ください。
・受付にて検温を実施いたします。体温が37.5℃以上の発熱が確認された方のご入場をご遠慮いただきます。
・風邪などの症状(せき、咽頭痛)がある方、体調がすぐれない方、過去2週間以内に感染が拡大している国・地域への訪問歴のある方はご来場をお控えください。
・必ずマスクの着用をお願いいたします。マスクの着用していない方のご入場をご遠慮いただきます。
・こまめな手洗い、アルコール消毒液での手指消毒の徹底をお願いいたします。
・咳エチケットなど他のお客様へのご配慮をお願いいたします。

<プロフィール>

中西 敏貴(なかにし・としき)
1971年大阪生まれ。1989年頃から北海道へと通い続け、2012年に撮影拠点である美瑛町へ移住。そこに住まう者としての視点を重視し、農の風景とそこに暮らす人々をモチーフに作品制作を行ってきた。現在は大雪山とその麓に広がる原生林にも意識を広げ、人と自然との関わりを写真によって描き出す作業を続けている。主な個展に「光の彩」キヤノンギャラリー(東京2012年)、「ORDINARY」リコーイメージングスクエア(東京2016年)、「Design」弘重ギャラリー(東京2017年)、「Signs」Nine Gallery(東京2019年)など。主な写真集に「ORDINARY」(風景写真出版2016年)、「Design」(キヤノンDreamLabo5000 2017年)、「FARMLANDSCAPE」(青菁社 2019年)などがある。日本写真家協会会員、日本風景写真家協会会員、日本風景写真協会指導会員、Mind Shift Gear アンバサダー。

<関連書籍>

中西敏貴写真集 カムイ

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