ウエディングフォト撮影&ライティング実践講座
第3回

強い人工光を使って自然光を再現する 前撮りで使えるライティングテクニック

結婚式とは、多くの人にとって、一生の思い出になる人生の一大イベントです。新郎・新婦の晴れ姿はもちろん、式に出席した親類縁者の顔ぶれや表情は、その日、その瞬間にしか存在しえないものです。それだけに、結婚式を記録に残すウエディングカメラマンの責任は重大。絶対に失敗できない過酷な仕事です。

では、ウェディングカメラマンに求められる技術や素養とは、一体どういったものなのでしょうか。「ウエディングフォト撮影&ライティング実践講座」では、現役のウエディングカメラマンが仕事に臨む際の心構えから段取り、必要とされる技術、仕事環境にいたるまで詳細な解説を行っており、ウエディングカメラマンという仕事を理解するのに最適な一冊です。

本記事では、Chapter2「ウエディングを撮るための撮影&ライティングテクニック」より、屋内におけるライティングの一例を、シーン別に抜粋してご紹介します。

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前撮りで使えるライティングテクニック・屋内編

屋内の撮影では3つの光源をシーンに応じて使い分けます。具体的には窓際の自然光と室内の定常光、そしてストロボによる人口光です。これらを組み合わせることで、多様な画づくりが可能になるのです。

ベアバルブを使って爽やかに自然光が射し込むイメージで撮る

ベアバルブは明るく爽やかに仕上げられるのが特徴。逆光を作るなど、さまざまな用途で活用できます。個人的に好んでよく使うライティングのひとつです。 Phase One IQ250 / Schneider LS 28mm F4.5 / F4.5 / 1/50秒 / ISO400 / 28mm

3灯ライティングで豪華なイメージを演出する

ストロボ3灯を組み合わせて撮った式場写真です。右上の美しい照明を取り込みつつ階段のパースを強調しながら、広角レンズで開放的に撮影しました。注目はメインで使用したベアバルブのモノブロックストロボ。右上高い位置から照射しています。ベアバルブとは発光菅をむき出しにしたライト。強い自然光が射し込むイメージで撮影できるのが魅力です。

もう2灯もモノブロックストロボですが、いずれも天バンです。1灯は左上から照射。被写体の左側面の光量を補うのが目的です。もう1灯は階段奥にセットして照射しています。

ベアバルブ。このようにリフレクターやガラスドームを外した状態のライトで、発光管から直接被写体に照射します。

背後から被写体に照射するドラマチックライティング

新郎新婦にはこちらから指示を出し、向かい合い、手を取り合ってもらって撮影しました。”ここではこんなふうに撮ろう”という判断を瞬時に行うことが大事です。背後から入れたクリップオンストロボはスタンドに固定し、頭上のランプは新婦の頭で隠しています。 Canon EOS 5D Mark III / EF24-105mm F4L IS USM / F4 / 1/100秒 / ISO250 / 24mm

天井の影を生かしながらハイライトで演出する

新婦の真後ろ、腰の高さにクリップオンストロボを1灯、正面向きにセットし、体の輪郭に合わせハイライトが入るように照射。非常にドラマチックな仕上がりになっています。このライティングも覚えておくと非常に有効です。とくにインパクトを演出したい場面で重宝します。

ここでは天井から下がったランプ(新婦の顔で隠していますが)の影が、天井一面に広がり印象的だったため、この影を入れ込みながら撮影しているのもポイントです。通常であれば手前はもう少し暗くなるところですが、入り口付近にも照明があり、これによってふたりの露出が補われています。

なお、今回はレトロで雰囲気のある洋館のエントランスを利用しましたが、ウエディングの撮影ではこうした会場の入り口付近が格好のロケーションになることも。事前に撮影場所を決める際は、まずこの付近をチェックしてみましょう。さまざまな撮影ポイントが見つかるはずです。


ウエディングフォト撮影&ライティング実践講座

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