既存の評価に捉われず、写真を考え語る場所
新たな写真雑誌が創刊された。創刊号の冒頭は、「あなたにとって“写真”とは?」というストレートな問いから始まる。その問いに対し、写真家、被写体、編集者など27名が自分なりの「答え」を誌面上で発表した。
今や写真は誰にとっても身近なものになり、写真を見る人、撮る人、撮られる人の間に境界線がなくなった。そんな中で、もう一度自分と写真の関係を再考しようという試みだという。編集担当の湯本愛氏に創刊の経緯を聞いた。
「以前コマーシャルギャラリーに勤務していた頃、価格やプリント技術、評論家の意見でしか写真が語られていないと感じたんです。評論や解説で語られる“正解”ではなく、作品を見た人それぞれが違う意見を持って、自分の言葉で語る場を作りたいと、雑誌を立ち上げました」。
本誌コンセプトは「撮る、撮られる、見る、語る」の4つの行為から写真を再考すること。想像力によって写真を単なる2次元世界から、広げることを目指して「FOUR-D」と名付けた。
今後は紙媒体にとどまらず、「写真を考え、語る場を作っていきたい」と語る湯本氏。次号は11月25日。誌面リニューアルを予定している。