撮りフェス in 室蘭2018

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室蘭の町を被写体として解放する、24時間滞在型のフォトコンテスト「撮りフェス」。3回目の今年は7月7日・8日に開催され、402名が参加した。審査員は葛西薫、藤井保、辻佐織、浅田政志、岩﨑拓哉、山口一彦。作品総数1095枚の中から大賞、準大賞、審査員それぞれが選ぶ個人賞が選ばれた。審査員の葛西薫氏と藤井保氏に大賞と個人賞について語ってもらった。

<大賞>齋藤ますみ

撮りフェス3年目となり、いわゆる絶景だけではなく、この町の営みやここに暮らす人の息遣いが感じられる、そんな応募作が増えてきた。大賞作は、雨の中、町と工場のにじんだ灯が混じり合いまさに室蘭らしい夜景。そこに魅せられてカメラを向けた二人、結局被写体となっていることが可笑しい。(葛西薫)

今年は私が密かに思っていた雨、風の悪天候の中での開催でした。厳しい自然環境の中で何を見て、どう撮るのか? 単に美しい観光ポスター、絵葉書を超えた写真を見たいと思いました。この写真も真昼の晴天時とは全く違うロマンとドラマが写っていました。(藤井保)

<葛西薫賞>石川綾子

ホームから滑りだした車体のデザインの違う2両編成の窓の中、その向こうの船、それぞれに灯されたランプの暖色が、この町の夕暮れを表しており、ここに人は写っていないが、人肌を感じる写真だ。この駅、なんと僕の中高時代の地元駅だった!(葛西薫)

<藤井保賞>石川 詳

これも背景が霧雨で省略されることで、釣鐘と人物がモノトーンの画面に浮き上がっています。映画のワンシーンのようなドラマを想起させますが、コスチュームの具象が残念です。(藤井保)

<準大賞>清水目和幸

<準大賞>菊池光宏


コマーシャル・フォト 2018年9月号

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