専用の器具や独特のノウハウが必要なキャンプは、かつて敷居の高い趣味の一つでした。しかし近年、動画配信サイトやSNSの発達によってキャンプの楽しさが広く伝えられ、またキャンプを行う際の知識や道具選びの注意点など、必要な情報が簡単に手に入るようになるに至って、キャンプはしっかりと下調べさえすれば、比較的手軽に始められる趣味として人気を集めています。
齡70にしてキャンプ歴50年のwinpy-jijiiさんが手掛けた「Life is Camp winpy-jijiiのキャンプスタイル」では、車中泊や登山キャンプをはじめとしたキャンプのスタイル紹介から、おすすめの道具、自分の使い方に合わせた道具の自作・改造、おいしいキャンプ飯まで幅広く解説。長いキャリアの中で培われた確かな知識が一冊にまとめられています。
本記事ではCHAPTER2「七つ道具」より、「クッカーのフタ」を探してしまう話を紹介します。
キャンプをはじめ、登山、釣り、カメラなど、それぞれに関連する道具をたくさん使ってきました。同じ種類の道具でも、メーカーや年代によって全く違ってきますし、それぞれの良さがあります。そんな道具について、ジジイなりに培った選び方や使い方を紹介できればと思います。
道具への考え方
道具を選ぶときは、そのときの自分によって基準はかなり変わってくると思います。若い頃は知識もまだ浅いですし、資金もそこまでないでしょう。だから安物を買い、すぐに使い物にならなくなる。ジジイもそうでした。けれど、この経験は無駄ではないです。ここからだんだんと、安くても質の良いモノ、さらに自分に合ったモノと、自分の選ぶ基準が見えてくるのです。
クッカーのフタ
なぜクッカーにはフタが少ないのか!
飯に虫が入った!?
クッカーやシェラカップを買ったり使ったりしていて思ったのが、なぜどれもフタがついてないのか、ということ。というのも、山の中でキャンプや登山をしてご飯を食べていると、高確率で虫がクッカーの中に突っ込んでくるからです。だからフタのついていないクッカーも、直径を計って、全く別の道具からフタとしてシンデレラフィットするものを探します。多少合わなくても、自分で手を加えて調整すれば問題ありません。
フタを持って店をウロウロ
フタになる道具は、案外身近なところにあったりします。例えば綿棒のフタ。実はこれが、スノーピークのチタンシングルマグ300にピッタリとハマるんです。今ではニベアの一回り小さいタイプや、丸型のタバスコチョコのケースを手に持って、アウトドアショップに並ぶクッカーから、フタの直径に合うものを探してしまう始末。本末転倒ですが、この作業が楽しみになるので問題ありません。