絵本とであえる楽しい散歩
第2回

探し出す楽しみのある東京の絵本の古本屋さんと本屋さん

「絵本とであえる楽しい散歩」では絵本を専門にした本屋さん、昔の絵本や海外の絵本がたくさんそろう古本屋さん、絵本コーナーがとても充実している大型書店、絵本作家の住まいをもとにした美術館や東京から日帰り旅行するのにちょうどいい場所にある絵本美術館、絵本の原画を展示するギャラリー、絵本がたくさんそろっていて、そこでお茶を飲みながら絵本をじっくり楽しめるカフェなど絵本に関連するさまざまなスポットを紹介しています。

今回は、絵本好きな人たちが「探す」楽しみを感じられる東京の絵本の古本屋さんと本屋さん、5件を紹介します。

※この記事は、書籍が発行された2014年当時の取材に基づいています。サービスの内容など、現在とは違うこともありますのでご了承下さい。

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絵本とであえる楽しい散歩

 


明治も戦前も……古書の玉手箱

こどもの本の古本屋 みわ書房

<東京・神田神保町>

ここに来て「懐かしい!」といってしまうと年齢がバレてしまう。いや、懐かしいを通り越して、中原淳一さんが描く本のように「古いのに新しい」と感じるものも少なくない。古本の街、神保町にある「みわ書房」は子どもの本専門の古書店。古くは明治時代に出版されたものから、戦前や戦後まもなく出版された希少な本と雑誌、平成になってから出版されたわりと新しめのものまで、店内にぎっしり。場所によっては文字どおり〝山積みに〟なっている。

「ずっと探していた本がここに来れば見つかる」と全国の古書マニアからの信頼も厚い。古い絵本に大人が夢中になるのはわかりやすいが、小さな子どもたちも気に入って買っていくことも多いという。いいものは何十年経っても人に受け入れられるということを物語っているのだろう。

小さな店内に隙間なくぎっしりと並べられた古書。まさに探し出す楽しみのある本屋だ。

こどもの本の古本屋 みわ書房

東京都千代田区神田神保町2-3 神田古書センター5F
Phone:03-3261-2348

営業時間 10:00~18:30、
日・祝日11:00~17:30
休み 第1・3日曜日(4月の第1日曜日
は営業、GWは無休。8月のみ毎
日曜日休み)、年末年始
最寄り駅 都営新宿線・都営三田線・東京メトロ半蔵門線神保町駅から徒歩1分
http://www.miwa-shobo.com/


木のぬくもりに包まれながらちえの木の実を収穫

ちえの木の実

<東京・恵比寿>

「ベストセラーよりロングセラーを」という品ぞろえ。大人になってからであっても感動できる絵本ばかり。

「知識ばかりが求められる現代だけれど、知識もそれを生かす知恵があってこそ。ぜひここに本という名の知恵の木の実を収穫しに来てください」。これがお店のコンセプトだ。

木材をふんだんに使用した広い店内には絵本、児童書を中心に、哲学書など大人が楽しめる本までおよそ2万冊がそろう。羊毛のワークショップや季節のイベントなども頻繁に開催。おはなし会も月1回ほど行っている。

2階には静かな空間で思う存分読書を楽しめる会員限定のスペースも。無料で登録でき、飲食OKなため、お弁当持参で親子で読書の時間を楽しむ人も多い。恵比寿散歩を楽しみながら、ベビーカーで店内をゆったり回れるのも魅力。

2階の会員専用の部屋。入口付近にはたくさんの本があり、テーブルスペースでは飲食もできる。気に入ったら、もちろん購入も可。
動物たちの木のおもちゃ

ちえの木の実

東京都渋谷区恵比寿西2-3-14 1・2F
Phone:03-5428-4611

営業時間 11:00~19:00
休み 火曜日、年末年始
最寄り駅 JR山手線・東京メトロ日比谷線恵比寿駅から徒歩7分
http://www.chienokinomi-books.jp/


気軽に買える価格帯がうれしい

にわとり文庫

<東京・西荻窪>

あたたかなアンバー系の光に照らされた落ち着く店内。

かわいいお店が軒を連ねる西荻、平和通りに、2005年にオープンした「にわとり文庫」。開店した年が酉とり年だったことが店名の由来だ。手作りの本棚に並ぶのはすべてが古書。「気軽に手に取ってもらえる価格帯にしている」という絵本300 冊や児童書、生活まわりの本や小説など、計3~4000 冊。実は倉庫に2万冊ほどあるらしい。

厳選された国内外のヴィンテージ雑貨も販売。なんだか小さな蚤の市に来たような雰囲気だ。絵本コーナーには子ども用の机とイスがあり、「子どもがちょこんと座って、絵本を読んでくれたらうれしい」とお店では話す。無料でもらえる、お店手作りの「ニシオギ古本マップ」は、西荻散歩に必携!

グリーンのディスプレー棚がアクセントの窓辺の絵本コーナー。床はモザイクタイルをはめ込んだ力作。

 

グリーンのかわいいトランクに入っているのは、お買い得な洋書絵本。

にわとり文庫

東京都杉並区西荻南3-17-5
Phone:03-3247-3054

営業時間 12:00~20:00
休み 火曜日、臨時休業あり 夏季・冬季休み
最寄り駅 JR中央線・総武線西荻窪駅南口から徒歩3分
https://niwatorib.exblog.jp/


感性にハマる本!

えほんやるすばんばんするかいしゃ

<東京・高円寺>

洋書は背表紙だけではわからないので、なるべく表紙を見せてディスプ レー。

細い路地にひっそりと置かれた、手作りの看板。そこに描かれている不思議な店名は、童話作家の寺村輝夫さんの物語から名づけ、「えほんや」という言葉を足したもの。「4字組の文字もきれいだったから」とデザイン重視で選んだ。

3坪のスペースに約2500 冊、和書6洋書4の割合で絵本と児童書が並ぶ。お店では「希少かどうかということに振りまわされず、美しいと思える本やおもしろいと思える本を扱っていきたい」話す。

日本でも大人気。チェコの人気作家のコーナー。
この文字の並びにピンときて決めた店名。

えほんやるすばんばんするかいしゃ

東京都杉並区高円寺南3-44-18-2F
Phone:03-5378-2204

営業時間 14:00~20:00
休み 水曜日、正月休み
最寄り駅 JR中央線・総武線高円寺駅南口から徒歩5分
http://ehonyarusuban.com/


図書館みたい?

貝の小鳥

<東京・目白>

ベビーカーも通れる広めの通路。天井ではモビールがゆれる。

店の軒先に掛けられた小さな鳥かごと、人気絵本作家、荒井良二さんデザインのレトロなロゴがお店の目印。扉をあけたとたん包まれる、心地良い音楽と爽やかなレモングラスの香りはその日の気分で選んでいるという。

「時々図書館と間違える小さなお客さんもいらっしゃるんですよ」という店内には、絵本2000 冊、児童書、洋書、そして詩歌や芸術、図録や科学系、暮らしまわりの大人の趣味の本など、合わせて3000冊の古書が本棚に整然と並ぶ。

ゆったりとした空間には、ぬくもりを感じる国内外の木のおもちゃや、イラストレーターの※芳野さんのリトグラフをはじめ、約10名の作家による小鳥をモチーフにした作品も。芳野さんがデザインしたかわいいホームページも必見だ。

※映画「ニシノユキヒコの恋と冒険」のエンドロールアニメを担当。

イベント展示以外はイラストレーター芳野さんの作品を常設展示。
木のおもちゃは飾るだけでなく、遊べたり、作れたりするものも。

貝の小鳥

東京都新宿区下落合3-18-10
Phone:03-5996-1193

営業時間 11:00~18:00
休み 火曜日、正月休み
最寄り駅 JR山手線目白駅から徒歩8分
http://kainokotori.com/top.html

 


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