創作の中で「キャラクターの装い」や「天候」が変わることは、しばしばキャラクターの感情や状況、キャラクター同士の関係性や環境などの変化を表現する手段の一つとして使われます。特に「雨に降られてずぶ濡れになる」などは、同じキャラクターでありながらも、髪型や服装が変化することで、いつもとは違った雰囲気を出すことができることからよく使われる表現です。
「女の子の濡れ透け表現テクニック」では、水に濡れた肌や服の質感表現テクニックを中心として、5つのシーンにおける女性キャラクターの「濡れ感」描写を解説。顔や体の各パーツから服を着ているときの濡れ透け表現、水滴の質感や海辺など水のある景色の描き方まで、キャラクターの濡れ透け表現に必要な要素を網羅して説明しています。
現代では艶めくような色気のある男女を「水も滴る」と形容することもありますが、本書では特に女性キャラクターの濡れ透けに絞って表現する手法を紹介します。
本記事では第0章「濡れ透けの描き方 基礎編」より、肌の濡れ感表現について解説します。
肌の濡れ感の表現方法
水を帯びることで、濡れ感やツヤ感がはっきりと出る。濡れ具合がシチュエーションによって肌の表現方法は全然異なる。
肌の濡れ感表現のコツ
1. 肌の色味
濡れている部分、水滴がある部分など箇所によって肌の色味が異なるので、影の位置なども考えて描く。
2. ツヤ感
肌に水が付着しているので、ハイライト追加することなどでツヤ感を意識することが重要である。
3. 水滴や雫
ツヤ感や濡れ感を出すだけでなく、箇所によって水滴などを入れることで、リアルな感じを表現する。
濡れ感度合い
20%:水滴を数滴たらす程度に抑え、濡れ感を出している。
60%:肌のツヤ感を水色のスクリーンで表現し、濡れ感を強めている。
100%:60%の段階に加えて、肌の濡れている面積を増やして表現している。
パーツ別濡れ感表現
1. 手
全体がうっすらと湿っている感じを出して、所々にツヤ感を入れることで、リアルな濡れ感を演出することができる。指の先には水滴がたまっているのを描いている。
2. おへそ
おへそのくぼみには水滴がたまっていて、周りはツヤ感を出して表現している。影も部分的に表現することで、実際におへそが濡れたときと同じように表現している。
3. 脚
体の一番下の部分なので、重力で水滴などは下に落ちていくように表現する。重力により水滴の範囲も大きめに描くことがポイント。
4. ふともも
水が一番たまりやすい箇所になっており、水滴は足にむかって下がっていく。太ももの内側は影が強めで、外側は影とツヤ感が出る。