創作の中で「キャラクターの装い」や「天候」が変わることは、しばしばキャラクターの感情や状況、キャラクター同士の関係性や環境などの変化を表現する手段の一つとして使われます。特に「雨に降られてずぶ濡れになる」などは、同じキャラクターでありながらも、髪型や服装が変化することで、いつもとは違った雰囲気を出すことができることからよく使われる表現です。
「女の子の濡れ透け表現テクニック」では、水に濡れた肌や服の質感表現テクニックを中心として、5つのシーンにおける女性キャラクターの「濡れ感」描写を解説。顔や体の各パーツから服を着ているときの濡れ透け表現、水滴の質感や海辺など水のある景色の描き方まで、キャラクターの濡れ透け表現に必要な要素を網羅して説明しています。
現代では艶めくような色気のある男女を「水も滴る」と形容することもありますが、本書では特に女性キャラクターの濡れ透けに絞って表現する手法を紹介します。
本記事では第0章「濡れ透けの描き方 基礎編」より、顔の濡れ感表現について解説します。
顔の濡れ感表現
顔の濡れ感といってもパターンは多くある。顔の濡れ感を描き分けることで、色々なシチュエーションを描くことができる。
濡れ感表現のコツ
1. 肌の色
顔の濡れで肌の色を変えることでリアル感を演出。感情と水の掛け算によって肌の色も変化する。
2. 水の形
雨や水、涙、汗によって形を変えると深みが増す。肌につく場所や水の量など、微妙な調節が必要。
3. パーツの変化
水がつくことで顔のパーツの濡れ感や質感でかなり表現の仕方が変わる。また、水の量なども考えながら描く。
パーツ別濡れ感表現
目
目が潤ませることで、色気や大人っぽさを表現できる。
まゆげ
水を含んでウェット感が出ているように描くことが必要。
唇
水に濡れると唇のツヤ感が出るので色っぽさを演出できる。
鼻
鼻の先端が光を帯びさせることで濡れ感を表現。
濡れの要因別パターン表現
1. 雨、水
雨や水の水量の違いで濡れの表現は異なる。キャラの感情も加えることで臨場感が増す。また、量によってシチュエーションの設定も違いをつけられる。
2. 汗
運動や何かに集中しているときの絵に汗の表現を使う。汗の量によって疲れ加減や運動の強度や時間なども表現することができる。それによって表情なども変わってくる。
3. 涙
涙が用いられるのは主に感動したときや悲しいときなど。涙の情景によって量にも違いが出てくる。また、涙が流れている部分や目頭が赤くなるなど肌の表現も独特。