レトロモダンな和装の女の子 キャラクターデザインブック
第8回

「ファンタジー」と「和」の要素をかけ合わせる、さじ加減の重要性

人物が和服を着用した姿のことを一般に「和装」と呼びます。和服は着物(長着)と帯、袴や足袋などの要素を持った日本の伝統的な衣装ですが、映像作品や創作においては、キャラクターの衣装やファッションとして、和装をベースにアレンジしたコーディネートもよく見られます。

イラストレーター 神威なつきさんの著書「レトロモダンな和装の女の子 キャラクターデザインブック」では、和服の要素に「ファンタジー」や「花」などのテーマをかけあわせ、キャラクターの衣装として成立させるアイデアを多数収録。組み合わせたモチーフと合わせて、衣装を着たキャラクターの作例を掲載しています。衣装デザインのアイデア帳として、イラスト集としても楽しめる一冊です。

本記事では第3章「ファンタジー」より、「幻獣」をモチーフとした和装アレンジの例を紹介します。

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レトロモダンな和装の女の子 キャラクターデザインブック

幻獣

伝説の生き物といわれる「麒麟」や「ユニコーン」がモチーフ。水干で和の雰囲気を出し、ファンタジーな要素をモダンとして取り扱います。

シスター×幻獣

デザイン意図
虫や植物を踏むことすら嫌う、穏やかでやさしい性格の麒麟がモチーフ。その性格からシスターを連想し、白い修道服を平安装束の水干をベースにアレンジしています。古代中国の神話からのイメージだったため、武器として双剣を装備しました。ツノ、尻尾、鱗など麒麟からインスピレーションしたものを装飾にしています。

  • 平安装束の水干を服装要素に入れている。
  • 鱗模様の和柄に。
  • 背毛の五色は尻尾の色にしている。

白魔道士×幻獣

デザイン意図
ユニコーンの特徴である「螺旋状の筋の入った1本の鋭く尖ったツノ、2つに割れた蹄、紺色の目をした白い馬」という特徴を盛りこんだデザイン。癒しのイメージがあるので白魔道士と掛け合わせ、水干をベースにリボンや花でかわいらしくアレンジ。小物や武器などを目立たせるため、服の柄はシンプルにしています。

  • 水干をベースに、スカートのデザインにしている。
  • 遊行僧が持つ錫杖と、ユニコーンのツノをもとにデザインした杖。

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