立体造形や絵画において人体を美しく見せる手法の一つに、「コントラポスト」と呼ばれるポージングの技術があります。片足に重心をかけることで両肩と腰の傾きを相反させ、左右非対称の姿勢をつくるコントラポストは、ポーズに動的な要素を加え、様々に応用できる技術です。
「動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編」では、コントラポストの考え方を基礎として、女性のポージングに特化した作画方法を指南しています。特にポージングに関する項目としては立ちポーズ、座りポーズ、寝ポーズなど、イラストレーションだけでなく、模型や3Dモデルの制作、写真のモデルとしてポーズしたり、ポージングを指示する際にも役立つ知識が得られる一冊です。
本記事ではPart.2-1「座りポーズ基本編」より、しゃがんだ人物のポーズのコツをお伝えします。
しゃがむ体を描く
しゃがむ動作は体全体を丸めて描くため、パース(遠近法)のとり方が大切になります。
正面から見たしゃがむポーズ
頭、肩、膝の位置が重要です。肩を丸めて二の腕をすぼめ、肘と膝もグッと近づけて、背中が丸くなっていることを表現しましょう。
- 頭、肩、膝のいちを近づけることで、背中の曲がり具合を表現
- 肩を上げるとより力が入って見える
- 膝は円柱を意識して。最初に大まかなパースをとるとわかりやすい
- 踵を上げているイメージを忘れずに
One Point Advice:パースをどこにかけるかを理解する
パースをどこにかけるのかを、しっかり考えてから描き始めましょう。しゃがむ体を正面から見る場合、足にパースがかかります。対して横から見た場合、足にパースはかかりません。ここでも足は円柱をイメージし、遠いところは細く、近いところは太く描くようにしましょう。
しゃがむポーズのバリエーション
横アングルのしゃがむポーズは、上体と太ももを楕円形で捉えて。ななめアングルの場合は太もものパースをきちんととりましょう。
- 太ももとふくらはぎのパースに気をつけて
- 伸ばした腕に合わせて、背中の曲り具合や太もものパースが決まる
- お尻の垂れ下がりもきちんと描写