「ちょっぴりHなおんなのこの描き方」は、「セクシーな女性キャラクターの表現」に特化して人物イラストの描き方を指南する主旨の書籍です。著者はグラマラスな女性のイラストで人気の高いイラストレーター、方天戟氏。
女性の体の構造から各パーツの描き方に加え、様々なポーズや女性らしい仕草の作例を多数収録したほか、見た目から内面を感じさせるようなキャラクターづくりのコツや、陰影によるシチュエーション表現などにも言及しており、イラストレーターが女性の身体を作画する際に留意しているポイントがわかる内容となっています。
本記事では、Chapter5「立体感を付ける光と影と色」より、光の当て方によって変化する女性キャラクターの印象と、よりセクシーに描写するためのコツについて抜粋してご紹介します。
二次元である紙面上の絵柄に臨場感を与えてくれるのが光と影です。また、光と影の応用で、ポイントを強調したり、非日常的な照らし方による不気味なイメージなどを与えることができます。
光と影を使いこなそう
自然光でリアル感をアップ
絵に濃淡を付けることで、ものを立体的に見せることができますが、さらに自然光などの光源によって照らされる部分、影になる部分を忠実に反映させることでよりリアルな仕上りになります。
光源は主に自然光と人口光の2種類
自然光には、太陽光と月光があり、基本は上方からの光になります。一方、人工光には、白熱灯(温度放射)、蛍光灯(放電)、発光ダイオード(有機EL )、ろうそく(燃焼)などがあり、さまざまな角度から光を放射することができます。
before
乳房の大きさはイメージできますが、乳房の高さや張り具合がよくわかりません。
自然光をプラス
左斜め上の前方から照らされた女性の場合、乳房の右斜め下に影ができます。下乳および肋骨部分にできる影により、乳房の高さや形がイメージできます。また乳房に当たる光を球状に描くことで、丸みを表現できます。
へそまわりの筋肉や脂肪による凹凸を表現することで、リアル感やセクシー度がさらにアップします
光源の位置
この場合の光源は左斜め上。屋外では、やや高い位置にある太陽からの日差しに近いからです。屋内では天井の蛍光灯などが当たっているケースでよく見られます。
横からの強い光源で印象深く
車のライトなど、横からの強い光を浴びている状態です。太陽光などと違い、横や下からなど不自然な位置から光を当てることで、絵に強調や緊張が生まれます。
厚みをプラス
人物の場合、横から光を当てることで、体の厚みや凹凸がわかります。正面から見た平面的情報に奥行きや厚みがプラスされ、人物の身体的な特徴がよりわかりやすくなります。
顔にかかる影は表情の一部でもあり、いわば化粧を施した状態。この場合は顔の半分が明るく、もう半分が暗く、表裏のあるキャラの印象も。つまり、二重人格者などを描く場合などに応用できる光源といえます
光源の位置
真横から光が当たり、対象者(物)のコントラストがくっきりと表れます。
陰影を使って描いてみよう
乳房を印象付けよう
海水浴場や浴室などで女性の裸や水着姿を描く時、光を活用することにより、きれいでセクシーに仕上げることができます。
before
乳房の大きな女の子。平面ではその魅力が伝わりづらいのが難点。光と影を使えば、簡単に張りとボリュームを表現でき、より魅惑的な乳房に仕上げることができます。
やや横・斜め上方からの光源
女性の上げた手を活用したケース。斜め上方からの光だと、それぞれ乳房の下方に影が入り、ノーマルな演出に。ここでは、手の影を乳房に反映させることで、さらにリアリティを持たせることができます。
乳房の陰影の付け方
1. 乳房のアタリを取ります。
2. 余計な線を取り除き、輪郭を清書します。
3. 光源に合わせて影を付けます。左上からなので、両乳房の下方および右側に影ができます。また上げた手の影を付け加えます。
光と影で背中をセクシーに見せよう
背中が発達している女性は、おおむね肉感的でセクシーです。光と影を使って、背中の脂肪と筋肉をバランスよく描き、魅力的な女性に仕上げましょう。
「やや後方・斜め上方からの光源」+「後方からのアングル」
背骨のラインを境目に、大きく筋肉と脂肪の盛り上がりのラインを流れるように描くことで、きれいな背中のラインが出ます。肩甲骨の盛り上がり、腰のくびれを深い線と影で描くことでリアル感がさらにアップします。
「前方・上方からの光源」+「後方・やや上からのアングル」
前方・上方からの光が反って突き出たお尻を照らし、大きなお尻が印象的に見えるアングル。背中の筋肉や脂肪の凹凸を適所に描き込むことで、凹凸のないお尻の丸みがさらに強調されます。
背中の影とお尻に当たる光のコントラストが印象的