堤信子のつつみ紙コレクション
第2回

レトロで新しい!包装紙の変遷とノスタルジー

文具・雑貨コレクターとして知られるフリーアナウンサーの堤信子さんによる「堤信子のつつみ紙コレクション」は、「紙を愛でる」「紙を生かす」を切り口に、堤さんが数十年かけて収集した日本各地、世界各国の様々な店舗、ブランドの包み紙を紹介する趣旨の書籍です。包み紙のほかにも、紙袋、切手、ポストカード、古書、コースター、古地図など幅広いカテゴリの紙グッズを収録。包み紙をノートや飾り皿などのアイテムに加工するアイデアも紹介しており、様々な角度から「紙」の魅力を楽しめる内容となっています。

本記事では、チャプター1「WRAPPING PAPERS」より、東京・銀座にある文房具専門店「伊東屋」歴代の包み紙と、国内有名ブランドの旧デザイン包装紙を抜粋して紹介します。

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堤信子のつつみ紙コレクション

 

銀座・伊東屋の包み紙

1904 年(明治37 年)に銀座の地に創業した、文房具専門店「伊東屋」の看板には「STATIONERS」の文字が。当時の貴重な包み紙にも、英字のプリントが施され、舶来品の文房具などを取り扱っていたことがうかがえます。

1941年頃に使われていた包み紙。万華鏡を覗いたようなデザインが斬新だ
1922年以降に使われていたと思われる包み紙。シンプルな中に凝った書体が印象的
1965年頃に使われていた森島 紘氏デザインのクラフト包み紙。パネルや木材などクラフト用の大きな商品が包まれていた
1965年に片山弘毅氏によってデザインされたもの。赤文字の「i」がアクセントとなっている
2015年より現在も使われている包み紙。デザインは伊東屋オリジナル。大胆に配置された「itoya」文字が存在感を放っている

Itoya×竹尾

銀座本店の7階は紙の専門商社である竹尾とのコラボスペースとなっており、この包み紙はここで紙を購入した時にだけ包まれる特別仕様

懐かしいレトロな包み紙

老舗店の昔の包み紙は遠い記憶を呼び覚ましてくれます。資生堂の包み紙が敷かれていた母の鏡台の引き出し、カルピスの水玉は夏休みのベランダ、レトロ紙のコレクションは心のアルバムです。

資生堂

1969年頃に山名文夫氏によりデザインされ、椿のイラストはグラフィックデザイナー・絵本画家として活躍していた熊田千佳慕氏が担当。当時は、資生堂化粧品店などで使用されていた
資生堂ファイントイレタリーの包み紙。年代は不詳だが、資生堂でよく使われていた「唐草模様」の要素も入っている
1965年頃に資生堂化粧品店などで使用されていた包み紙。3枚の包み紙はいずれも、コーポレートマークに採用されている「花椿」が模されたデザインになっている

カルピス

1964年~1974年まで使用され、当時は包み紙でビンを巻いて販売されていた。カルピスの発売日が1919年7月7日の七夕だったことから、天の川の「銀河の群星」をイメージした水玉模様が採用された

西武百貨店

北欧を代表するデザイナー、スティング・リンドベリ氏が、1959 年にデザインした包み紙。アイテムのシルエットが大胆で目を引く

 


<玄光社の本>

堤信子のつつみ紙コレクション

著者プロフィール

堤 信子

堤 信子

幼少からの紙好きが高じて、フリーアナウンサー、エッセイスト、
大学の講師という肩書に加え、「紙採集家」としての活動を本格的に
スタート。集めた紙は、包み紙や紙袋、紙箱の他、ホテルのレター
セットやカフェの紙ナプキンやコースター、ヴィンテージペーパーな
ど多岐にわたる。著書に『100人中99人に好かれる ありがとう上
手の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『旅鞄いっぱいの
パリふたたび』(実業之日本社)、『旅鞄いっぱいの京都ふたたび
(実業之日本社)などがある。最近では、紙採集家として出演した
人気TV 番組での紙コレクションの多さと、紙への想像を超えた
愛情が話題となり、紙好きとしての認知度が着実に広がっている。
紙は「使い捨てる」ものから「愛でるもの」へ。紙を大切にして
欲しいという活動は、自身の紙コレクションを通して今後も続く。

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