堤信子のつつみ紙コレクション
第1回

ブランド価値を包んで渡す、日本の「包み紙」コレクション

文具・雑貨コレクターとして知られるフリーアナウンサーの堤信子さんによる「堤信子のつつみ紙コレクション」は、「紙を愛でる」「紙を生かす」を切り口に、堤さんが数十年かけて収集した日本各地、世界各国の様々な店舗、ブランドの包み紙を紹介する趣旨の書籍です。包み紙のほかにも、紙袋、切手、ポストカード、古書、コースター、古地図など幅広いカテゴリの紙グッズを収録。包み紙をノートや飾り皿などのアイテムに加工するアイデアも紹介しており、様々な角度から「紙」の魅力を楽しめる内容となっています。

「老舗店の包み紙や紙袋、そして箱。菓子職人たちが丁寧に時間をかけて作り出す美味しいものは間違いなく、良質な包み紙や美しい箱に包まれています。プロダクツへの自信やプライド、心意気が如実に表れているのが、包み紙や箱のデザインだと思うのです」(コラム「TSUTSUMI’S PAPER METHOD」より)

本記事では、チャプター1「WRAPPING PAPERS」より、国内企業の包み紙や紙袋を抜粋して紹介します。

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堤信子のつつみ紙コレクション

 

日本で出合える紙袋

デザインや手触りが好きな包み紙を集めて数十年が経ちます。細かな筆致で四季折々の花鳥風月が描かれているものなどに特に心惹かれ、お包みの文化を大切にするお国柄を感じます。紙質もデザインも多彩。

村上開新堂(京都)
三原堂本店(東京)
成城アルプス(東京)
原宿 瑞穂(東京)
千鳥饅頭総本舗(福岡)
菓匠 菊家(東京)

銀座鹿乃子(東京)。かのこ模様の和紙を手でちぎって散らしたようなデザインと、赤と黒のコントラストが美しい。

京菓子司 末富(京都)。末富ブルーといわれる水色に、商標の檜扇< ひおうぎ> や左近の桜などの京都の花々が散りばめられた包み紙は、日本画家の池田遙邨< ようそん> 氏によってデザインされたもの。

京華堂利保(京都)。宝尽しの柄が散りばめられた包み紙は、季節ごとに違う色で包んでもらえる。箱も同じ色、同じ柄がある。

アンヂェラス(東京)。1946 年創業の老舗喫茶&洋菓子店。このパリの風景デザインは、洋菓子がまだハイカラだった頃から使われている。

シェ・リュイ代官山店(東京)。1975 年に代官山にオープンした洋菓子店。この絵柄は、創業者の家の庭に有った「泰山木」の花がモチーフ。

洋菓子のフランセ(東京)。ミルフィーユなどで知られる東京の洋菓子店。果物や木の実をパイなどの生地に挟んで食べるのが、お菓子の原点、それをデザインに反映させたカラフルな包み紙。

 


<玄光社の本>

堤信子のつつみ紙コレクション

著者プロフィール

堤 信子

堤 信子

幼少からの紙好きが高じて、フリーアナウンサー、エッセイスト、
大学の講師という肩書に加え、「紙採集家」としての活動を本格的に
スタート。集めた紙は、包み紙や紙袋、紙箱の他、ホテルのレター
セットやカフェの紙ナプキンやコースター、ヴィンテージペーパーな
ど多岐にわたる。著書に『100人中99人に好かれる ありがとう上
手の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『旅鞄いっぱいの
パリふたたび』(実業之日本社)、『旅鞄いっぱいの京都ふたたび
(実業之日本社)などがある。最近では、紙採集家として出演した
人気TV 番組での紙コレクションの多さと、紙への想像を超えた
愛情が話題となり、紙好きとしての認知度が着実に広がっている。
紙は「使い捨てる」ものから「愛でるもの」へ。紙を大切にして
欲しいという活動は、自身の紙コレクションを通して今後も続く。

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