藤ちょこ ー 美しい幻想世界とキャラクターを描く
第5回

「光」を意識したキャラ塗り

本連載は、鮮やかな色彩と独自に作り込まれた世界観で人気のイラストレーター・藤ちょこさんがキャラクター造形や描き方を解説したメイキング・ブック『美しい幻想世界とキャラクターを描く』から、アジアンファンタジー世界を描いた作品の制作プロセスを追いながら、藤ちょこさんのクリエイティビティの秘密をご紹介しています。

第5回は、光源や反射光を意識したキャラ塗りの基本について。

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キャラ塗り① Gペンを使って肌を塗っていく

❶細かく塗る前にベース塗りをする

線画フォルダの下に合成モード[通常]のレイヤーを新規作成し、ベースカラーで塗りつぶしを行ないます。レイヤーは、肌、髪、スカート、提灯などの大まかな領域ごとに分けるのみにとどめます。

藤ちょこ-第5回-01 右向き矢印 藤ちょこ-第5回-02

(右)特に背景が濃い色のときは、背景色に近い色で塗りつぶしたレイヤーを下敷きにして、キャラクターを塗る際にイメージをつかみやすくします。

❷光源を意識して肌から塗る

常に光源(光がどこからやってくるのか)を意識して、それによってできる影の形、濃さを考えながら丁
寧に塗っていきます。

藤ちょこ-第5回-03

[Gペン]を使用し、ベースより少し濃い色を選択し、影を塗ります。

藤ちょこ’s Comment
もっとも強い光源は提灯ですが、画面手前からも、キャラクターを照らすように光が当たっている、という設定です。


❸塗り重ねてじわじわ色を作る

色は一発で決めようとせずに、ペンの不透明度を低くしてじわじわ塗り重ね、少しずつ作り込んでいきま
す。影には薄く紫色を重ねています。

藤ちょこ-第5回-04

グラデーションを意識したやわらかい塗りですが、明暗の境目はきっちりと色を分けています。こうすることで立体感が出るほか、見栄えも良くなります。

藤ちょこ-第5回-05

POINT─────

フェチポイントはハイライトで肉感を

藤ちょこ-第5回-06

フェチポイントは、細いペンを使って特に細かく描き込むことで訴求力を、さらに白くハイライトを加えてより肉感を出すことで魅力を高めます。


キャラ塗り② 肌のレイヤーに直接瞳を描き込んでいく

❶ベースカラーは低彩度でまとめる

白目を描き、薄紫色で上まぶたの影を描き入れます。上まぶたの線画の隙間を埋めるようにこげ茶色を入れ、瞳に暗めの水色で、ベースカラーを置きます。

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下矢印(赤)
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❷瞳の中を描き込む

瞳孔やその外側には黒色で色の溜まりを入れますが、上部には反射光があるので入れません。また、瞳の下部には水色で明るめの反射光を描き入れます。

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下矢印(赤)
藤ちょこ-第5回-10

❶瞳孔の横や瞳の外周、ハイライトにピンクの差し色を入れて色味を複雑に。

❸瞳を強く印象付ける

オレンジ色のアイシャドウを入れたり、合成モード[加算(発光)]のレイヤーを新規作成して瞳の下部に明るい水色を入れたりし、瞳を強く印象付けます。なお細かな描き込みは線画フォルダの上に作った「加筆1」で行ないます。線画を塗りつぶすように描くことで、より繊細な表現ができます。

藤ちょこ-第5回-13

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❹ひとまず完成 あとは適宜調整

顔はキャラクターイラストでもっとも重要な要素なので、気になったらあとから適宜加筆をしていきます。

藤ちょこ-第5回-12

❷眉や口も描き入れ、❸頬には薄い赤色斜線を入れます。

 


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著者プロフィール

藤ちょこ

藤ちょこprof

千葉県出身、東京都在住のイラストレーター。ライトノベルの挿絵や、TCGイラスト、ソーシャルゲームイラストなど幅広いジャンルで活動している。オリジナルイラストも数多く手がけ、 鮮やかで明るい透明感のある色彩や、奥行きを感じさせる構図、背景への丁寧な描き込みが独自の世界観を引き立てている。代表作に『賢者の弟子を名乗る賢者』シリーズ(マイクロマガジン社 著:りゅうせんひろつぐ)挿絵、『八男って、それはないでしょう!』シリーズ(KADOKAWA 著:Y.A)挿絵などがある。2018年現在、初の商業画集となる『極彩少女世界』がビー・エヌ・エヌ新社より発売中


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