【BOOKS REVIEW】『ことはちゃん』『ちなつくん』『春の旅人』など、イラストレーション編集部オススメの本


『ことはちゃん』『ちなつくん』

長田真作著

(イースト・プレス)各1,400 円+税/装丁:久保頼三郎

2016年『あおいカエル』(リトルモア)で鮮烈なデビューを飾った絵本作家・長田真作さんの新作。すずやかな季節に生まれた“ことはちゃん”と、しめっぽい季節に生まれた“ちなつくん”。2人にはとっても好きなものがあって……。大人になると忘れてしまうような「子どもの頃感じていたこと」「好きだったもの」「なりたかったもの」が、原始的で自由な子どもの発想で瑞々しく描かれ、子どもも大人もワクワクする絵本。
『ことはちゃん』
『ちなつくん』


 

『断髪女中 モダンガール篇』

獅子文六著 山崎まどか編

『ロボッチイヌ モダンボーイ篇』

獅子文六著 千野帽子編
(筑摩書房)各760 円+税/D:小川恵子(瀬戸内デザイン) ill:北澤平祐 編集+ D(帯):窪拓哉

2013年から継続刊行されているちくま文庫「忘れられた昭和の人気作家・獅子文六シリーズ」。その名に反し、今や累計25万部を超える人気シリーズに“幻の傑作短編”を詰めこんだ2冊が新たに加わった。編者である山崎まどかさんと千野帽子さんが、それぞれ女性、男性が活躍する話をセレクト。北澤平祐さんの装画・挿絵が、ユーモアと茶目っ気溢れる獅子文六作品にぴったりで目にもうれしい。
『断髪女中 モダンガール篇』
『ロボッチイヌ モダンボーイ篇』


 

『春の旅人』

村山早紀+げみ著
(立東舎)1,200 円+税/D:根本綾子

「花ゲリラの夜」、「春の旅人」、「ドロップロップ」。小説タイトルからも色鮮やかな情景が思い浮かぶ村山早紀さんの短編小説3本に、イラストレーター・げみさんがイラストレーションで花を添えた。小説とイラストレーション、それぞれ違う表現方法の2人にも関わらず、その世界観は美しく融合している。春の柔らかなあたたかさや、一抹の寂しさ、やるせなさをぎゅっと濃縮したような1冊。
『春の旅人』


 

「イラストレーション No.218

関連記事