「香川久×馬越嘉彦 バトルヒロイン作画&デザインテクニック」では、「戦う女性キャラクター」(バトルヒロイン)を切り口として、キャラクターデザインの方法論を解説しています。
著者の香川氏と馬越氏は1990年代より活躍しているアニメーター。様々な作品に作画監督や原画として参加しています。とりわけテレビ朝日系で毎週日曜日に放映されている「プリキュア」シリーズには両氏が共通して作画に関わっており、その内容はまさに「戦うヒロイン」を描いた作品群です。
本書では、前後編からなる「バトルヒロイン」のオリジナルストーリーをもとに、それぞれの作品に登場するキャラクターをデザインするうえで留意すべきポイントを中心に解説。キャラクター自身の設定や性格、表情やポーズの付け方、モチーフに合わせたコスチュームのディテールから描写のちょっとしたコツにいたるまで、愛されるキャラクターをデザインするためのノウハウを伝えています。
本記事では、「キャラクターの描き方 基本テクニック」より、「ポージング」に関する頁を紹介します。
ポージングは誇張する
バトルヒロインキャラクターのプロポーションが決まれば、さらにポーズまで考えましょう。ちょっとした仕草で性格を表したり、動くポーズを描く際の注意しておくポイントなどを紹介します。
キャラクターに合うポージング
立ち方ひとつで、キャラクターの性格も表現できます。片足で立つスマートで繊細なキャラ、両足をしっかり踏ん張って立つ力強いキャラ、似たような位置づけのキャラでも、腕の動作で元気が取り柄の天然キャラにみえるなど、それぞれの性格を絵のなかで表現することが大切です。(香川、馬越)
誇張したしぐさで女性らしさを
手の動作や動きで女性らしさを表現することもありますが、多少誇張した表現でみせるのも大事です。俗にいうサル手など、現実ではしないようなポーズでも、女性らしさを表現するために使用します。(香川、馬越)
さまざまなポージング
肩と鎖骨、胸、腰に補助線を引いて、この線を基準にどちらの足が前に出ているか、わかるように描いていきます。(香川)
Point
腰のラインに気をつけて位置を決める
リアルタイプより腰の位置を高めにしてくびれを強調し、足の長さ、特に膝下を長めにすると、バトルヒロインとしてアクションポーズに効果が出るデザインになります。
足を長くして腕まで長くしてしまうと、違和感が出てしまいまうので、腕は長くしない。足も膝下だけが、長くなりすぎないように注意。(香川)
コントラポストを考える
立ちポーズの場合、片足に体重をかけ体の中心線をずらし、肩と骨盤の傾きが相対し、背中がS字を描くような流れを作ることで、女性らしいプロポーションになります。(香川)
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