2019年1月22日(火)~1月27日(日) Roonee 247 fine arts
写真家・千代田路子氏の写真展「幾へにも一ふたつの旅ひとつの物語」が、ギャラリーRoonee 247 fine arts(ルーニー 247 ファインアーツ)にて開催される。
巡礼に似た旅をしながら撮影するという共通のテーマを持つ「おしち」と「新しい旅の始まり」の2つの作品を合わせて40点前後を展示する。心に残る美しい作品を追求するため、プリントには和紙を使い繊細な写真表現を希求したという。
「おしち」
“八百屋お七”を模した人形に出会ったことがきっかけで制作。江戸時代、恋人に会うために放火をしたお七が処刑された後、残された恋人が僧となり残生を賭して巡礼したという心に動かされ、出雲など西国巡礼をしたとされるゆかりの地を訪ね撮影した。
「新しい旅の始まり」
母が長い闘病生活の末に亡くなった後、生前行きたいと言っていた母のゆかりの地である東北の海を主に巡り、死者と出会えると言われている恐山を訪ね撮影した。
(写真展リリースより)
全ての人には誰かしら亡くなった大切な人がいます。それは家族や最愛のパートナーであったり、友人、恩人たち。大切な故人は忘れがたく、私たちは時に鮮やかに思い出します。けれど、その亡くなった人へのさまざまな思いは複雑で、その大きさや深さに囚われてしまうことはないでしょうか。
2009年に父親が、2015年に母親が他界した後に、二人に対する思いに当惑し、特に母への思いとどう向き合っていけば良いのだろうかと考えさせられている自分がいました。
今回発表するふたつの作品「おしち」と「新しい旅の始まり」は、そのように故人に残された自分をきっかけとして制作したものです。
それぞれ違う物語ですが、「おしち」 は主に出雲など西日本へ、「新しい旅の始まり」では東北の海へ、どちらも巡礼に似た旅をしながら撮影した写真で構成されています。おそらく私は日常を離れ内省し、作品を作ることを通じて両親への喪の作業をしていたのだと思います。
(千代田路子)
プロフィール:
千代田 路子(ちよだ みちこ)
写真が好きだった父の影響で写真を始める。大学ではグラフィックデザインを専攻、同時に写真を学ぶ。卒業後は広告代理店にデザイナーとして就職するが、光学メーカーの広報宣伝部門への転職を機に本格的に写真による作品作りを始める。個人的な体験からテーマを見出し、物語性を重視した作品作りを目指している。
<写真展情報>
千代田路子写真展「幾へにも一ふたつの旅ひとつの物語」
会場:Roonee 247 fine arts(ルーニー 247 ファインアーツ)
http://www.roonee.jp/
住所:東京都中央区日本橋小伝馬町17-9 さとうビルB館4F
TEL:03-6661-2276
会期:2019年1月22日(火)~1月27日(日)
開館時間:12:00〜19:00(最終日は16:00まで)
入場料:無料