絶景・ゆる鉄・バリ鉄 みんなの鉄道撮影地ガイド
第1回

【北海道エリア・宗谷本線 糠南駅】周囲に何もない旅情たっぷりの秘境駅【ゆる鉄】

写真を始めるきっかけのひとつに、「鉄道」を撮りたいという気持ちを持った方も多いのではないでしょうか。鉄道そのものをかっこよく撮りたい人、風景と併せて美しい四季を撮りたい人、旅先で出会う風情ある鉄道を収めたいなど、鉄道写真といってもさまざまなジャンルがあります。
昨今、撮り鉄のマナー問題が取り沙汰されることも少なくありません。本書「絶景・ゆる鉄・バリ鉄 みんなの鉄道撮影地ガイド」では、誰もが安全に、かつ素敵なシーンを撮ることができる撮影スポットを、雄大な風景が撮れる「絶景」、車両をメインに撮影できる「バリ鉄」、著者が得意とする「ゆる鉄」の3つのカテゴリーに分け、日本全国159か所紹介しています。

本記事では「絶景・ゆる鉄・バリ鉄 みんなの鉄道撮影地ガイド」から、全国の各エリアごとの撮影ポイントをピックアップして紹介していきます。

第1回は北海道エリアから宗谷本線 糠南駅です。

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絶景・ゆる鉄・バリ鉄 みんなの鉄道撮影地ガイド

駅を撮るならオススメは冬の夜。しんしんと降る雪をフラッシュで光らせたら、まるで童話のワンシーンのような風景になった。SONY α1, F4, 4秒, ISO1600, 12mm

宗谷本線 糠南駅 周囲に何もない旅情たっぷりの秘境駅

国鉄時代に北海道各地で見られた「仮乗降場」のような、板張りの簡素なホームがとても絵になる駅。この糠南駅はもともと仮乗降場ではありませんでしたが、周囲に何もない風景を含めて、仮乗降場の旅情を感じさせてくれる貴重な駅です。この駅の見どころは、何と言っても物置を改造した…いや物置そのままの待合室。この壮絶な駅舎が鉄道ファンに大人気の人気を呼び、それを目にした自治体が「鉄道によるまちおこし」の目的で、維持費の一部を負担するようになったというドラマまで生まれました。

カーブした線路の途中にホームがあるので、すぐ近くにある踏切から安全に撮影を楽しむことができます。また、駅の近くの丘の上から駅全体を俯瞰撮影することも可能です。鉄道ファンの熱い想いが存続させた北海道らしい秘境駅、ぜひ訪ねてみてくださいね。

駅に近い丘の上から、駅の周囲を俯瞰撮影。この場所からは遠く問寒別の鉄橋まで見渡すことができる。冬は除雪されないので注意。SONY α7RIV, F5.6, 1/3200秒, ISO800, 285mm

撮影ポイント:Google Map

俯瞰ポイントへは踏切を渡り最初の十字路を右折した林道から。つづら折りの最後のカーブから左に降りた広場付近が撮影ポイント。

ゆる鉄度:★★★★★
アクセス性:★★★★★
撮影のしやすさ:★★★☆☆
オススメの時期:夏・厳冬期


絶景・ゆる鉄・バリ鉄 みんなの鉄道撮影地ガイド

著者プロフィール

中井精也

Nakai Seiya

1967年、東京生まれ。鉄道の車両だけにこだわらず、鉄道にかかわるすべてのものを被写体として独自の視点で鉄道を撮影し、「1日1鉄!」や「ゆる鉄」など新しい鉄道写真のジャンルを生み出した。2004年春から毎日1枚必ず鉄道写真を撮影するブログ「1日1鉄!」を継続中。広告、雑誌写真の撮影のほか、講演やテレビ出演など幅広く活動している。著書多数。
株式会社フォート ナカイ代表。
社団法人日本写真家協会(JPS)会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)副会長。甘党。

フォート ナカイ ウェブサイト
ブログ 1日1鉄!
X(旧Twitter)@railman_nakai
Instagram @nakai_seiya

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