自然光だけで美しい ポートレートのつくり方
第5回

ポートレート撮影のためのロケ地の探し方、選び方

撮影時のコンディションとして最も基本的で重要な要素は「光」です。撮影者は光が足りなければ照明を用意し、明るすぎればフィルターなどで露出を調整します。光の当て方一つとってもノウハウがあり、撮影者にとって光の使い方、付き合い方は永遠のテーマといえるでしょう。

自然光だけで美しい ポートレートのつくり方」では、私たちの最も身近にある自然光だけを使ったポートレート撮影をテーマとして、基本的な考え方やノウハウを作例とともに解説しています。

本記事ではChapter2「基本のカメラ設定と考え方」より、ロケ地の探し方、選び方について紹介します。

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自然光だけで美しい ポートレートのつくり方

撮影イメージと撮影場所を事前に考える

ロケ地は、日頃からアンテナを張っておいて、撮りたいイメージやモデルに合わせて選ぼう。

普段からまわりの風景にアンテナを張る

日常でいいなと思った場所を撮っておく

影の背景に使う場所は、撮ろうと思ってから探しても、なかなか見つからないものだ。そこで、普段、近所を歩いたり車などで移動したりしているときに、まわりの風景にアンテナを張っておきたい。

僕は日頃の散歩でも、いいなと思った場所はカメラを持っていればカメラで、そうでなければスマホで写真に撮っている。さらに地図アプリのスクリーンショットもとって、まとめたりしている。最近のカメラでは写真に位置情報を埋め込めるので、それを使って整理してもいいだろう。

たとえば、桜の咲いている公園や、味わいのある町並み、ちょっとレトロな建物、あるいは背景に使えそうなシンプルな壁や地面などを収集して、自分の引き出しを増やしている。

そして、撮影場所を考えるときに、収集しておいた情報の中から、撮りたいイメージやモデルなどに合うものを選んで撮影に使う。

地図アプリのスクリーンショットで場所を残す

イメージに合う場所を選んで撮影

個人的に気をつけているのは、自分だけの撮影場所を見つけることだ。インスタ映えスポットとして有名な場所は、たしかに綺麗だが、僕はめったに行かない。それよりは、パッとは目を引かない場所でも、自分で見つけたお気に入りの場所で撮っている。SNSを参考にするにも、有名スポットはなるべく避けている。ちなみにSNSで見つけた撮影場所はPinterestでコレクションしている。

ロケハン時の写真

スマートフォン 26mm 相当 F1.8 1/160 秒 ISO25 7月下旬 12:57

そのほか、撮影場所や構図の引き出しを増やすのには、雑誌や映画、ドラマ、マンガなどにもアンテナを張っている。たとえば、映画やマンガなどを見ながら、何mmぐらいのレンズでこういう構図で撮っているな、と考えたりする。

特におすすめは雑誌だ。プロのカメラマンや編集者、スタイリストなどが集まって、洗練された写真を作り出している。最近では雑誌のサブスクリプションサービスもあるので、その中からセンスのいい雑誌に目を通しておくと、リッチなコンテンツに触れられ、アイデアも磨かれると思う。

実際に撮影した写真

35mm フルサイズカメラ 40mm F2.8 1/400 秒 ISO400 7月下旬 14:31


自然光だけで美しい ポートレートのつくり方

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