2019年5月23日～6月9日 上野の森美術館

ポートレイトとスナップ、色あせない立木ワールドの軌跡

60年に渡り、写真家として第一線で活躍し続ける立木義浩。俳優やタレント、著名人等のポートレイト、ファッション、ヌード、女性写真など、主に人物を被写体に、広告・出版・雑誌・映像と様々な媒体を網羅してきた。1965年に発表された名作『舌出し天使』が50年以上の歳月を経て写真集として復活するなど、彼の仕事は色あせることなく、むしろ新鮮さをもって、今なお見る者を惹きつけている。彼の活動の大きな節目ともいえる今年、上野の森美術館において写真展『時代』が開催される。

本展では、「ポートレイト」と「スナップ」という2つの世界観を、それぞれ1F、2Fに分けて展示。トータルで数百点という大規模な写真展となる。

1Fの「ポートレイト」では、すでに鬼籍に入った人から現在も活躍する人まで、時代を彩った著名人たちのポートレイト作品を展示。広告や雑誌などのメディアに掲載された作品も多いので、見る者の当時の記憶とリンクするような懐かしい写真に出会えるかもしれない。

そして2Fでは、立木のもう一つのライフワークであるスナップショットを展示。スナップは、彼が「抽斗にしまってある大切なもの」と、その思い入れを語るジャンルでもある。日本の町や村、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカと様々な場所に赴き、“そこにある日常”を捉えてきた。

齢81歳、誰もが認める写真界の大家だが、「写真は、基本は失敗、いささかの成功があるのみ」という言葉からも、写真への情熱の健在ぶりが十二分にうかがえる。この写真展は彼にとって“集大成”ではなく、あくまで“通過点”なのだ。

＜写真展情報＞
「時代 -立木義浩写真展 1959-2019-」
会場 ：上野の森美術館
http://www.ueno-mori.org/
東京都台東区上野公園 1-2
会期：2019年5月23日（木）～6月9日（日）
開館時間：10時～17時
入場料：一般1200（1000）円・大高生800円　中学生以下無料