花のマクロフォトレシピ
第2回

背が低い花は、腹ばいになり地面を移動しながら徹底的にアングルを探るべし

花別マクロ撮影テクニックガイド」は、四季折々の花を主として、小さな自然をモチーフにしたマクロ撮影の様々な表現テクニックを解説し、写真表現のおもしろさやモノ造りの楽しさをアドバイスする本です。

著者の江口愼一さんは、撮影テクニックを解説しながらも「一番大切なポイントは感じる心であり、ときめき。まずは感じることが大切。花のどこに魅力を覚えてどんな絵にしたいのか、その意図を明確にすることが先決で、さらに光を見極め、自然を愛で楽しむことが基本」と語っています。

本記事では、1章の「春の鼓動」から、ネモフィラの撮り方をご紹介します。

花のマクロフォトレシピ

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繊細な花芯と鮮やかな花びらの
色調描写にウエイトを置いた

清々しい春の雰囲気を漂わせる花である。花びらの色調が美しく魅力的で、繊細な花芯の表情も可憐で麗しい。群生で咲く情景をワイドに捉えるのも良いし、一輪だけを接写するのもおもしろい。ただこの花は背が低く、高さが10cmほどなので腹這いで撮ることが基本になる。撮影現場では、ずるずると地面を移動しながらベストのポジションを探り、微妙にアングルやピント位置を吟味しながら絵作りを工夫するというのが基本。

 

Case-1 オーソドックスに斜め上のアングルから花芯に焦点を合わせて撮影

Canon EOS 60D EF180mmF3.5L Macro USM+エクステンションチューブEF25 絞り優先AE F3.5 1/5000秒 +0.7EV補正 ISO400 AWB

花芯の緻密な描写と花びらの清潔感のある表情にウエイトを置いて表現。

 

Case-2 Case-1と同じモチーフを手前の花を前ボケとして活かした表現

Canon EOS 60D EF180mmF3.5L Macro USM+エクステンションチューブEF25 絞り優先AE F3.5 1/6400秒 -0.3EV補正 ISO200 AWB

ピント位置は花芯に合わせたままで、手前の花を前ボケとして画面に取り入れた表現。ソフトなボケ味の演出効果を求めている。

 

Case-3 視点を下げて手前の花びらを前ボケにするアングルから捉えた

Canon EOS 60D EF180mmF3.5L Macro USM+エクステンションチューブEF25 絞り優先AE F3.5 1/2500秒 -0.7EV補正 ISO200 AWB

Case-2からさらに視点を下げて花を真横から狙い、手前の花びらを前ボケとして捉えた。

 

【Best Shot Recipe】

Canon EOS 60D EF180mmF3.5L Macro USM+エクステンションチューブEF25 絞り優先AE F3.5 1/3200秒 ISO200 AWB

視点をさらに低く下げて花びらの隙間から花芯を撮影

ピント
花芯の先端に付いている花粉にピントを合わせ、ディテールのおもしろさを接写している。

ボケ
花芯だけをシャープに描写し、その周囲の花びらは柔らかなボケ味で表現している。

視点
花びらの隙間から花芯が覗く視点を探りカメラのポジショニングを設定。

色調
アンダーなシャドー部を背景に活かし、花の彩りをさらに際立たせるように配慮している。

露出
かなり明るいモチーフだが、コクのある色調描写を求め、プラス補正はせずノーマルで撮影している。


<One Point Advice>
接写リングを使用して拡大接写

カメラとマクロレンズの間に接写リング(中間リングとも言う)を装着すると、さらに拡大接写が可能。メーカーによってはエクステンションチューブと言う名称になるので確認しよう。


花のマクロフォトレシピ

著者プロフィール

江口愼一

1953年、京都生まれ。愛知県立芸術大学美術学部デザイン科卒。約10年間のサラリーマン生活の後、フリーの写真家となる。マクロから風景まで幅広く全国の自然を対象に撮影を続けている。
雑誌への寄稿、コンテストの審査等の傍らセミナーの講師などでアマチュア指導にも熱心。
自らが主催する江口愼一写真楽園は、全国に約150余名の会員を擁する。
個展・写真集・著書等も多数あり。日本写真家協会会員
http://eguchi-shinichi.com


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