赤城写真機診療所 MarkII
第6回

男性が多い写真業界で女性カメラマンは活躍できるのか?

赤城写真機診療所 MarkII」では、カメラや撮影にまつわる悩みや迷いを「疾患」に見立て、「撮影科」「カメラ科」「レンズ科」「婦人科」それぞれのカテゴリーで、質問を「症状」、回答を「診察」としてカメラや写真、撮影時の疑問に答えています。

「診察」と銘打ってはいますが、要は著者によるお悩み相談。「カメラあるあるネタ」に対する著者の見解を楽しむ一冊となっています。本記事では「婦人科」における診察内容の1つをお届けします。

「赤城写真機診療所 MarkII」

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女性カメラマンもだいぶ増えていますが、女性カメラマンが男性と本来の意味で「同様」に最前線で生きていくには何が必要だと思いますか?

写真学生や写真のワークショップ、あるいは地域の写真サークルでも、女性の方が元気がいい場合が多く、私の知る女性の写真家は、みなさん第一線級の位置にいてお仕事をしているので、正直、作品だけ見ているぶんには男女差やら格差はない。むしろ写真を志向する人を見てみると、女性の方が優秀な場合が多い。

理由は単純で、女性は自分が写真で何をやりたいのか明確な人が多いからだろう。目的がある人は度胸もいいから何処へでも行くし、行動力がある。このことは写真制作には重要だ。あたりまえだ。被写体があって、はじめて写真が生まれるからである。

フェミニストからは怒られてしまうかもしれないけど、愛嬌も、愛想のよさもたいせつ。作品の発表チャンスや、写真展への案内、写真集の販売など、人間関係がバカにできない。人脈が豊富なことでチャンスが生まれることが多いのはいうまでもない。こういう女性はSNSで写真について技術的に疑問に思うことを一言つぶやくだけで、おじさんたちからヤマのようにコメントやアドバイスが寄せられるのをよくみる。

もちろん迷惑な事もたくさんあるだろうけど。それに世の中にはヘンなヤツもいるので、十分に気をつけてくださいよ。優秀な女性はダメなオトコを好きになったりすることが多いのも謎だ。ダメなオトコのために写真を辞めてしまった女性を複数知っている。これは困る。日本の写真文化にとって大きな損失ではないのか。

誤解されると困るけれど、以上のことは男性に媚びろということではありません。先に述べたように女性の方が優秀だから、本来は教えることなんてひとつもないんだよね。構想力、度胸、行動力、観察力、愛嬌、健康、が写真制作の心構えとして重要であることは、女性には限らないということだ。

むしろ私は写真教室などで「何をどうしていいかまったくわかりません」などといってくるおじさんに、シッシッとしながら言いたい。「ボーッと生きているんじゃねえよ!」

 イラスト:大村祐里子


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「赤城写真機診療所」

著者プロフィール

赤城 耕一


(あかぎ・こういち)

1961年、東京生まれ。東京工芸大学短期大学写真技術科卒業。出版社を経てフリーに。雑誌、コマーシャル、企業PR誌などで人物撮影を主に担当する傍ら、戦前ライカから最新のデジタルカメラまでレビューも行うカメラ好き。カメラ雑誌、書籍など執筆多数。
「銀塩カメラ放蕩記(アサヒカメラ)」「ボケてもキレても(月刊カメラマン)」連載中。

書籍(玄光社):
中古カメラはこう買いなさい!
ズームレンズは捨てなさい!

Twitter:@summar2
ブログ:赤城耕一写真日録


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