PERFECT PHOTO RECIPES BOOK
第5回

最高の被写体に余計な工夫はいらない 正面から素直に撮ること

SNSや写真投稿サイトなどでは、上手な写真が溢れています。しかし、その中で作者の個性が光って、思いが伝わる「面白い写真」はどれだけあるでしょうか。写真家の野寺治孝さんは、著書「PERFECT PHOTO RECIPES BOOK(パーフェクト・フォトレシピブック)」の中で、撮影者の感性を活かした「面白い写真」の撮り方をわかりやすく、レシピ風に解説しています。

本記事では、道で出会った素敵なお婆ちゃんにお声がけした例をご紹介します。

PERFECT PHOTO RECIPES BOOK

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フォトジェニックな被写体は堂々と正面から素直に撮ることがベスト。

【タイトル】
笑うお婆ちゃん

【難易度】
★★★

【データ・機材・条件】

◯撮影場所:千葉県・浦安市
◯使用レンズ/撮影データ:80mm F2.8 1/60秒 F5.6 マニュアル ISO100
◯使用機材/準備するもの:フィルム6×6cm 判一眼レフカメラ
◯光の状態:雨上がりの明るい曇天
◯構図/アングル:2人を画面中央に入れる

【撮り方】

◯被写体の発見:雨上がりの川べりで素敵な2人と出会った。「撮りたい!」と素直に思った。
◯撮影方法:フォトジェニックな2人なのでできるだけ素直に撮る。「おきれいですね」と声をかけていい笑顔を引き出す。
◯注意点:手ブレに注意する。
◯レタッチ方法:赤をやや上げる。コントラストをやや強く。

【ポイント】
雨上がりのしっとりした風景の中で、この2人にはこれ以上何がいるだろうか。できることはただ1つ、堂々と正面から素直に撮ること。写真の基本中の基本だ。料理に例えるならば最高の素材には手を加えないことが最良の方法ということだ。

 

 


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PERFECT PHOTO RECIPES BOOK

著者プロフィール

野寺治孝

野寺治孝(のでら はるたか)
1958年千葉県浦安市生まれ。
本郷高校デザイン科、にっかつTV映画芸術学院卒業。広告デザイン事務所、郵便配達員、牛乳販売業など職を転々とするが1984年にポストカードの自費制作販売を機にプロ写真家として活動を開始する。1991年に「有限会社スローハンド・野寺治孝写真事務所」を設立。多岐にわたる被写体を空気感とストーリーを感じさせる独自の作風で多くの作品を発表している。

ウェブサイト:http://www.nodera.jp/
Twitter:@noderaharutaka
Instagram:@harutaka1958nodera
Facebook:harutaka.nodera

<主な著書>

『個性あふれる”私らしい”写真を撮る方法』
『個性あふれる”私らしい”写真を撮る方法』

 

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