「光の魔術師イルコのポートレート撮影スペシャルテクニック」は、タイトルの通り、人物撮影時におけるラインティングテクニックを指南する主旨の書籍です。本書ではストロボライティングの基本と、後幕シンクロやマルチ発光などの応用技術をカバーしていますが、このほかにもストロボの基本を学ぶ前段階として、自然光を活用した撮り方も解説しているのが特徴となっています。
本記事では、チャプター2「実践!イルコのポートレート・テクニック」より、iPhoneで一眼レフレベルの作品を撮るためのノウハウの一部を紹介します。
iPhoneはほぼ一眼レフと同じことができる!
どんなカメラを使っていても、「F値」「ISO感度」「シャッター速度」からなる露出の三角形と、ストロボを使うときの露出の五角形(F値、ISO感度、シャッター速度、ストロボと被写体との距離、ストロボパワー)は変わりません。ですから、自分のライティングスタイルがしっかりあれば、iPhoneでもかっこいい写真が撮れますよね。
iPhoneでも「こういう光を使いたい」「こういう色に仕上げたい」というイメージがあれば、いろいろ頭を使って工夫します。機材に頼るんじゃなくて、カメラマンとしての自分の感性を大事にして撮影していきたいですね。
この写真、全部iPhoneで撮影!
iPhoneだけで撮ってるインスタグラムのアカウントもあるよ!
iPhoneとストロボをシンクロさせる方法
iPhoneはどんな環境でも問題なく撮れるかといと、そうでもない。暗い場所ではノイズが多かったりします。だけど、iPhoneが使える限界まで理解した上で撮ると、場合によっては仕事の撮影でも使えます。たとえばウェディング撮影でライティングを組んで、iPhoneで撮った写真を新郎新婦さんに見せるとびっくりする!「このカメラマンは、どんな道具でも撮れるんだ」って信用してくれて、よりコミュニケーションがうまくとれたりします。
前置きが長くなったけど、iPhoneでもオフストロボを操作して、一眼レフのようなライティングができるんです。
iPhoneでストロボをシンクロさせるためには、1.「TricFlash」というラジオスレーブをストロボのホットシューにつけて、2. iPhoneにTric専用のアプリ「TricCam」をインストールします。すると、iPhoneからストロボがちゃんとシンクロします!
ただ1つだけ制限があって、シャッター速度は 1/30秒まで。それより明るい環境で撮影するときには、iPhone用のNDフィルターを使って、シャッター速度を遅くして撮影します。
Tricのアプリ、TricCamをiPhoneにインストール。アプリ内でF値、シャッター速度、ISO感度をコントロールでき、複数台同調できる有料版がオススメ!
緑のマークは、iPhoneが近くでスレーブがついていることを認識しているという表示。
iPhoneとシンクロさせて、レリーズと同調発光ができる「TricFlash」。ストロボ側に装着する。
iPadで反射を作れば反射写真が撮れる!
iPhoneでの撮影で、ちょっとしたテクニックを使って相手をびっくりさせることができますよ。雨上がりの水たまり使って下の写真のように反射を作るのもかっこいいけど、たとえばiPadの画面を反射で使う、なんていうアイディアもあります!iPhoneならではのおもしろい写真が撮れますよ。
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