スマホで成功!売れる商品写真撮影講座
第7回

食べ物を美味しそうに撮る4つの鉄則

スマホで成功!売れる商品写真撮影講座」は、きれいな商品写真を撮影するためのノウハウをまとめた本です。プロ並みの写真を撮るためには、高度なテクニックや、高価な機材が必要だと思いがちです。しかし、この本で久門易さんが使うカメラは、スマホです。スマホでもちょっとしたコツとセンスがあれば、きれいな写真が撮れるといいます。

本記事では、Part2 「売れる商品写真はこうして撮る」より、食品をおいしそうに撮るためのコツをお届けします。

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スマホで成功!売れる商品写真撮影講座

 

手作り弁当を撮影

手作り弁当を撮影しますが、撮り方のポイントは、ほとんど全ての料理に共通します。

1.下地を選ぶ
2.トリミング
3.光は「逆光」
4.演出

この4つでプロのように写すことができます。

GOOD

まずは下地を赤い色紙にしてみました。さらにスマホを少し離し、ズームを使って大きく写すことで、形をキレイに写しています。これだけでもNG写真と比べるとかなりよく撮れています。

NG

なんとなく撮るとこんな感じになる、悪い見本です。下地、トリミング、光、演出、4つの要素全てで失敗しています。せめてレジ袋の上でなければまだよいはずです。ただし、自分のメモとしてなら、これでも十分役に立ちます。

Good写真をさらにズームでトリミングしてみました。器の四隅が画面からはみ出るくらいの方が、食材を大きく見せられ、ボリューム感も伝わります。

今度は下地を青(寒色)にしてみましたが、ちょっと食欲がそがれる感じがします。食品の背景の色は、暖色(赤っぽい色)を基本と考えましょう。

追加テクニック1:「逆光」で撮る

料理を「逆光」で撮影すると、それだけでプロっぽく写ります。卓上ライトや撮影用の照明機材を使ってもよいですが、窓際の光で撮影するのがもっとも手軽です。料理の向こう側に窓があって、光が奥から当たっている状態で撮影します。

室内の天井にある蛍光灯で撮影しています。下地は白い布にしました。陰影は強くありません。蛍光灯の数が多い事務所などで撮影すると、この写真よりもさらに影は弱く、ソフトな印象になります。


天井の蛍光灯を消してスマホと反対の側から光を当てました。これが「逆光」です。ほどよい陰影があり、食材の一つ一つが立体的に見えます。逆光にするだけで、おいしそうな印象になります。

追加テクニック2:食事のシーンを演出する

おいしさを表現するための4つめの要素、演出をやってみます。実際の食卓をイメージできるように、別の食材や箸を置いたり、食材を持ち上げたりすることで、おいしさを想像させることができます。

箸やライスロールが画面に写ると食卓の雰囲気が伝わり、さらにおいしそうになります。

唐揚げを持ち上げました。三脚やレリーズを使うと、お箸で持ち上げている様子も、一人で撮影できます。これから食べるような演出によって、さらに味覚が連想されやすくなります。

 


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スマホで成功!売れる商品写真撮影講座

著者プロフィール

久門 易

(くもん・やすし)

1961年生まれ。会社員生活の途中、芸術写真家に憧れ上京。写真館「写真道場」を運営しつつ、「コマーシャル・フォト」「フォトテクニック」(玄光社)、「CAPA」(学研)、「日本カメラ」(日本カメラ社)などで多数の長期連載をしてきた。その一方で、楽天大学のネットショップ向け撮影講座(2001年〜)、LlXILの工務店向け施工事例撮影講座(2005年〜)、通信教育「たのまな」 の商品撮影講座(2014年〜)など多数の講師経験を持つ。

著書
「標準デジカメ撮影講座」(翔泳社)
「伝わる!売れる!仕事によく効くデジカメ撮影術」(翔泳社)
「今日からデジカメ写真がうまくなる」(ソフトバンク新書)
「食わず嫌いのための逆引きフォトレタッチ術」(日本カメラ)
「キレイに撮りたい!」(技術評論社)
「技あり!ビジネスフォト撮影&編集術」(秀和システム)
「フォト×バイク ライダーのライダーによるライダーのための写真術」(秀和システム)など多数

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ネット通販売れる商品写真 トラの巻
ワンダー・フォトグラフィー

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