キャラクターイラストにおけるヘアスタイルは、その人物の個性を印象付ける重要な要素です。描ける髪型のレパートリーが増えれば、キャラクター表現の幅が拡がります。
「キャラクターデザインのための髪作画」では、イラストレーターの夏目レモンさん、ネコサンさん、maruさん、葉月ナツさんによるヘアスタイルの作例を多数収録。アタリからラフ、線画、着色のほか、メインに解説したヘアスタイルのアレンジ例も3パターン用意しています。監修はヘアメイクアップアーティストのAKIさん。
本記事ではPart1「髪を描く基本」より、髪型を構成する4要素のうち「毛先の向き・カール」について抜粋して解説します。
3. 毛先の向き・カールのつけ方を決める
カールをつけて毛先の向きを変える
毛先に向きをつけて巻くことを「カール」といい、髪型のシルエットに動きをつけます。「ストレート」を基準にして、内側に巻く「内巻き」、外側にハネる「外巻き」を使い分けましょう。
ストレート
まっすぐに伸ばした毛先。やや内向きに入れると自然なスタイルになる。
外側の毛を少し長めにすることで、自然なまとまり感がでる。
内巻きカール
内側に丸めたような毛先。全体的に軽やかになり、フェミニンな印象に。
丸めた毛先に空間をつくると、ふんわりとした空気感がでる。
外巻きカール
外側にハネたような毛先。髪にくびれができ、活発でおしゃれな印象に。
くびれをつくることで、毛先のハネをより強調できる。
ハーフカールとワンカールの使い分け
毛先の向きを決めたら、カールに強弱をつけましょう。ニュアンスをつける半回転の「ハーフカール」と、しっかり一回転させる「ワンカール」があります。
ハーフカール(内)
毛先を内向きに半回転させたカール。丸みのあるシルエットで、ナチュラルガーリーな雰囲気に似合う。
外側の毛先で包むように丸め、さりげないまとまり感をだす。
ハーフカール(外)
毛先を外向きに半回転させたカール。肩先のハネ感が、クールやアグレッシブな雰囲気に似合う。
外側の毛先で包むように丸め、さりげないまとまり感をだす。
ワンカール(内)
毛先を内向きに1回転させたカール。ふんわりとしたシルエットで、大人かわいいフェミニンな雰囲気に似合う。
毛先がしっかり内側に丸まっており、垢抜け感がでる。
ワンカール(外)
毛先を外向きに1回転させたカール。くびれの大きなシルエットで、色っぽいエレガントな雰囲気に似合う。
毛先を外側にしっかりとカールさせることで、こなれ感をだす。
サイドとバックのセクションで分ける
毛先の向きやカールを「サイド」と「バック」のセクションごとに分けて考えてみましょう。向きをそろえると統一感が生まれ、変えると動きが生まれます。
サイド:内巻き/バック:内巻き
サイドとバックを内巻きにしてつなげたスタイル。全体に統一感があり、まとまりが出る。ナチュラルな雰囲気に。
サイド:内巻き/バック:外巻き
サイドは内巻きにして顔のまわりを囲み、バックは毛先を外巻きにしてハネさせたスタイル。元気で明るい印象に。
サイド:ミックス/バック:ミックス
内巻きと外巻きをミックスさせたスタイル。毛束ごとに動きがあり、女性らしくおしゃれ感な印象に。
オーバーとアンダーのセクションで分ける
毛先の向きやカールを「オーバー」と「アンダー」のセクションごとに分けて考えてみましょう。髪の段がはっきりつくことで、髪型に動きがつきます。
オーバー:内巻き/アンダー:内巻き
オーバーを内巻きにし、アンダーも内巻きにそろえたスタイル。全体的にふんわりとした、やわらかい雰囲気に仕上がる。
オーバー:内巻き/アンダー:外巻き
オーバーを内巻きにし、アンダーを外巻きにしたスタイル。顔まわりが華やかになり、こなれた雰囲気に仕上がる。