アニメーターズ・スケッチ バトルキャラクター編
第5回

筋肉の構造を知るからこそ描ける線がある

イラストや漫画で人間のキャラクターを表現する際には、人体がどのように動くのか、動かせるのか、その構造を理解することが重要です。不自然さのない、説得力のある動きの描写を練習するにあたっては、写真や映像を見たり、ポーズ集や3Dモデルソフトを活用するなど様々な方法が模索されています。

羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ 動きのある人物スケッチ集 筋肉キャラクター編」は、筋肉質なキャラクターの動きを集めたポーズ集です。立ち姿や歩行などの基本動作をはじめ、スポーツ、格闘技、銃や剣などバトルアクションポーズなど約600点を収録しています。著者は1984年からアニメーターとして活躍している羽山淳一さん。

本記事では、Chapter2「運動系ポーズ」より、「ロッククライミング」のポーズを紹介します。

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羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ 筋肉キャラクター編

ロッククライミング

動画を参考にしたスケッチ。どこをどう切りとるか、どうイメージを膨らませるかがポイント。

下の2つの絵は腕と脇の部分ですが、上は影の部分を一定方向の斜線で表現し、下は斜線を交差させて表現しています。上のほうが簡略化していて表現しやすいです。

平行な斜線で影を表現

交差させた斜線で影を表現

写真を見て描く場合でも、筋肉の構造を理解しているからこそ描ける線があるので、筋肉の構造は知っておくべきです。

背中の筋肉の表現では、筋肉そのものと肩甲骨の存在があることを忘れずに描くことが重要です。

女性の場合は筋肉のディテールは控えめに。


羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ 筋肉キャラクター編

著者プロフィール

羽山 淳一

(はやま・じゅんいち)
アニメーター、キャラクターデザイナー。

1965年、長野県出身。
高校卒業後ムッシュ・オニオン・プロダクションに入社。
『Gu-Guガンモ』(1984年)で動画デビュー。
『は~いステップジュン』(1985年)で原画デビュー。
『北斗の拳』(1987年)で作画監督デビュー。
『BE-BOP HIGHSCHOOL』(1989年)でキャラクターデザイン、デビュー。
1990年フリーランスとして独立。

書籍(玄光社):
アニメキャラクターの作画&デザインテクニック
羽山淳一 ブラッシュワーク
羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ

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