変幻自在のWebカメラ「KZ-DC4K」で手元映像も簡単配信。羽山淳一さんライブドローイングイベントレポート

玄光社は、アニメーターの羽山淳一さんによる無料オンラインセミナー「アニメーター 羽山淳一が教えるアクションポーズの描き方」を2022年3月9日に開催しました。

羽山さんの手元カメラ映像によるライブドローイングイベント。あらかじめ用意した「お題」や参加者からのリクエストを羽山さんに即興で描いていただき、ご自身による解説も併せて聞くことで、ベテランアニメーターの技術を見て学べる機会となりました。ここではセミナー当日の模様をお伝えします。

手元を映すカメラには、ケンコー・トキナーが4月29日までmakuakeに出品中のWebカメラ「KZ-DC4K」を採用しました。折りたたみ式のアームと反転可能なカメラ部を備えており、一般的なWebカメラとして使えるほか、手元を映して映像化する、いわゆる書画カメラのような使い方ができる個性的なギミックが特徴です。性能としては名前の通り4K(3840×2160)、30fpsでの撮影に対応するほか、完全に折りたたむと14mmの厚さになるので、収納性と携行性にも優れます。

makuakeのKZ-DC4K応援購入サイトプロジェクト終了日:2022年4月29日まで

Webカメラ KZ-DC4K
折り畳んだ状態では、本体の厚さはわずか14mm。スーツの内ポケットにも入るほど薄い。

 

さて、セミナーでは基本の「立ち姿」から始まり、アクションポーズの例として「走る」「殴る」「蹴る」「剣を構える/振り下ろす」に視聴者からのリクエストを加えた6テーマについて実演、解説しました。

アニメーターの羽山淳一さん

「立ち姿」については、描写するキャラクターの年齢ごとの姿勢について言及しました。若い人はまっすぐ直立の姿勢ができる一方で、老人は筋肉の衰えなどによって姿勢が崩れがちという点でリアリティを出すこともあるといいます。

「走る」ポーズについては、走り出しから速度が乗った後の姿勢の2種類を提示。前傾姿勢から体を起こして、巡航速度になったときに上体が起きる姿勢へ移行するポーズの変化について説明しました。

スポーツ映像は人の動きを知るのにうってつけの教材

羽山さん(以下敬称略):オリンピックや世界陸上の映像をよく見ますね。大変勉強になります。一例としてフィギュアスケートを挙げますが、スポーツを見るのは、走るとか飛ぶといった動作の参考にするためというのもありますが、足元のステップやジャンプなどの動作だけではなく、動き全体の流れ、特にそれぞれの動きをつなぐ上半身の動きを把握する面でも役立ちます。

ポスター的ともいえる走り出しのポーズ
速度が乗れば上体が起きる

「殴る」ポーズでは、拳を突き出すまでの一連の動作を解説。ボクシングを例に挙げて、腕を突き出す動きだけで表現できる「ジャブ」と、体重をかける溜め動作を含む「右ストレート」を繰り出すときの動きの違いを説明しています。

羽山:絵では上半身だけしか描いていませんが、もちろんジャブとストレートでは体全体の動きも違うので、下半身の動きも想定した上で描いています。ストレートの方が踏み込みもあるし、膝の動きも違いますよね。ボクシングは基本の構えがガードの型なので、背を丸めて、その姿勢からパンチを繰り出すという動きが前提にあります。これが中国拳法の場合は、上半身の軸をぶらさずに交互に拳を突き出す「型」があるので、上半身はまっすぐなままです。

拳を大きく振りかぶった「映像作品的」な殴りのポーズ(左)
ボクシングでは背を丸めたガードの姿勢から直接パンチを繰り出す

「蹴る」ポーズには上段、中段、下段、回し蹴りや飛び蹴りなど様々なバリエーションがあり、それぞれ全身の動作が異なることから、蹴りポーズそのものだけでなく、前後の態勢についても気をつけるよう説明しました。

羽山:蹴りポーズで重要なのは、バランスを取ることです。どういう種類の蹴りを描くのか?その蹴りの前後にどういうポーズを取っているかということを意識しないと、「ただ足を突き出しているポーズ」になってしまいます。

上段蹴りの動きを連続した3枚のポーズで表現

時折、ドローイング途中の絵を裏側から透かして見ることも。反転させて見ることによって、絵のあらが認識しやすくなるといいます

道具の持ち方くらいは勉強しておこう

「剣の動作」のポーズでは日本刀を例にとって、構えと振り下ろしの2種類について解説。剣を振り下ろす動作とセットで踏み込む足元の動きにも気をつけるのがポイントだといいます。

羽山:ただ、剣の持ち方は持つ剣の種類によって異なるので、自分で勉強しておく必要はあります。剣道をやっていた人ならわかると思いますが、例えば日本刀なら、右手でつばのすぐ下を持って、左手で柄頭を握りますよね。この持ち方をするのにはちゃんと理由があるので、そこがちゃんとしてないとウソっぽくなってしまいます。

同じく、日本刀の振りかぶりから振り下ろしまでの動作を3枚の連続した絵で表現

視聴者からのリクエストとしては、「手から必殺技を出しているポーズ」や「豪快にご飯を食べるポーズ」、「お尻と胸が見える色っぽいポーズ」、「ブレイクダンス」、「2丁拳銃で敵を撃つポーズ」などなど、たくさんのリクエストをいただきました。この枠では最終的に「AとBが戦う」ところを描いていただきました。

ドローイングでは「回し蹴りをする人」と「回し蹴りを受ける人」の2人を描いており、ここでは画面のバランスを取ることに重点を置いて説明していました。

羽山:蹴りをする人は、回し蹴りが決まったタイミングでは蹴り足を振り切った形になります。それに対して蹴りを受けた人は、大きくよろめいて、かつ表情が見えるようにすることを考えると、画面の配置的には、蹴り足に対して垂直に配置したくなるんですね。そうすると、全体でなんとなく三角形のシルエットができて、かっこいいんじゃないかなと思います。

回し蹴りが決まった図は、画面のバランスを考慮して「三角形」のシルエットができるようにした

「思うように描けない日はしょっちゅうですよ」

セミナーでは羽山さんがドローイングをしている間にも視聴者からの質問に回答する場面があり、セミナーは終始和やかに進行していきました。以下に寄せられた質問の一部と、羽山さんの回答を紹介します。

Q. どうしたら羽山さんくらい速く描けるようになりますか?

羽山:速く描くつもりで描けばいいんです。

Q. バランスの良いポーズや手足を描くために注意することや、どのような練習をしたのか教えてください。

羽山:よく美術書とかに、円に囲まれた人体の図(ウィトルウィウス的人体図)が載っていると思うのですが、これはおぼえておいた方がいいです。手足のバランスが解るようになります。

ウィトルウィウス的人体図を覚えておくことで、人体のバランスを常に意識できるようになるとのこと

Q. 羽山さんは仕事以外でも絵を描いていると思いますが、思うように描けない日はありますか?また、そのようなときはどう対処していますか?

羽山:思うように描けない日はしょっちゅうです。そういうときはもう一旦諦めて、脇にどけたらしばらく見ないようにします。それで後から改めてその絵を眺めると、ダメなところが見えてきて続きが描けることがありますね。

でも経験上、そういう風に引っかかってしまった絵って、だいたいうまいこと仕上がらないので、時には諦めた方がいいこともあります。

Q. 羽山さんが絵を描くさいのルーティンがあれば教えて下さい。

羽山:特にないんですよね。あればもっと仕事が捗るのかもしれません。

今回セミナー映像の配信に使ったKZ-DC4Kは、単体で映像と音声の両方が拾えるWebカメラです。一般的なWebカメラと同様にビデオ会議などに使えますが、可動域の広いスタンドを備えることで、より広範な用途で活用できます。今回はライブドローイング用途で利用しましたが、このほか固定カメラで長時間手元を映す手芸や模型などを記録したり、ストリーミング配信するなどの用途も考えられ、アイデア次第で様々な使い方ができるカメラとなっています。

ケンコー・トキナー KZ-DC4K

makuakeのKZ-DC4K応援購入サイト にて、プロジェクト終了日の2022年4月29日まで購入を受け付けている。

 

収録風景

提供:ケンコー・トキナー


羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ バトルキャラクター編

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